MBAのエッセンスを独学で学ぶカリキュラムをシリーズで紹介していますが、今回は、⑧ソフトスキル(リーダーシップ)について考えたいと思います。
今回の参考図書
今回も安定のグロービスです。
ここからは、自分のメモの要素が強くなりますが、大事だと思うこと、キーワードを中心に記していきます。引用部分は『』で表します。
リーダーシップとは?
本書において、リーダーシップを単なる理論ではなく、『外部環境の要求に応えうる具体的な行動再現力』と捉えている。つまり、行動モデルとして説明される。
先に本書の感想を述べる。そもそも、リーダーシップを学ぼうとしても抽象的な話になり役に立たないと思っていたのだが、本書を読み終わり、実際の場面で使える「リーダーシップ」を体系的に学ぶことができたと感じている。では、実際に学んだことを紹介したい。
リーダーシップ行動モデル
リーダーシップの定義が次の4点で紹介される。
①目標の創造(価値創造型)
②目標の設定と実現のための体制構築(目標達成型)
③目標実現のために部下を活用し成長させる(人材育成型)
④目標実現のための課題や障害の解決(戦略実行型)
ネットで落ちてました。この図です。これを理解することが本書を理解することだと思います。

難しいのが、上記の4つのリーダーシップが、互いに相反し、同時に補完しあう、と述べられています。私の周りにもこのリーダーシップは強いけど、ここは弱いというマネジメント層がたくさんいます。むしろ、各々自分のリーダーシップの特徴があり、補佐役(チーム)で足りない部分補完すべきなのでしょう。
こうした状況の中で、エンパワーメント・リーダーシップ(ELと略す)が紹介される。具体的には、目標の共有、自由度の実現、支援体制の実現というELによって、チームに自立意識が育まれ→責任感と柔軟思考が生まれ→スピーディな行動とアイディアの創造が実現され→コミットメントも期待できる。というポジティブなループに入っていくそうだ。ELは上の図でいうところの右半分を重視するものとなる。
次にエモーショナル・リーダーシップが紹介される。先ほどの4つのリーダーシップは外面的な行動だが、それに加えて、リーダーは自己の感情を制御するという内面的な行動が、リーダーシップの土台として必要ということだ。
本書を用いながらリーダーシップについて考えている過程で、グーグルの「プロジェクト・アリストテレス」について知った。これはグーグルが社員の生産性を高める方法を解析した壮大な実験で、チームの生産性は「心理的安全性」に左右されるという結論でした。エンパワーメント・リーダーシップに共通する部分が感じられますね。
心理的安全性とは、自分の言動が他者に与える影響を強く意識することなく感じたままの想いを素直に伝えることのできる環境や雰囲気のことです。チーム生産性を高める唯一の方法として、米グーグル社が発表したことで大きな注目を集めることになった…(後略)
引用元:BIZHINT https://bizhint.jp/keyword/101187
最後に、リーダーシップ行動の「技術」を活用するために、ロールモデル活用法、組織コンティンジェンシー強化法(組織環境で必要な行動技術を強化)、360度多面評価法が紹介される。
変革リーダーシップの技術
次の章は、リーダーシップは管理型と変革型に分けられ、これからは変革型リーダーシップが求められるという内容から始まる。先ほどのマトリックスでいうと、戦略実行型が管理型で、その他の3つが変革型ということだ。
そして変革型リーダーシップの5つの技術として、①変革ビジョンの設計と②共有、③方向付け(コーチング)と④動機付け+⑤変革管理実行(これは管理型)が紹介される。
*①〜④がリーダーシップ、⑤がマネジメントとも呼べる
そのあと、①〜⑤について詳細な説明があるが、ポイントだけ本書から抜粋する。
①変革ビジョンの設計
・ビジョンの構成要素は目的、目標、戦略
・設計プロセスは、外部環境分析→目標設定→内部環境分析→戦略展開(この辺は経営戦略、事業戦略と被る部分が多い)
②変革ビジョンの共有
・形成(ビジョンを伝える)→関係(連帯と共有)→提案→共鳴→参画
③方向付け(=コーチング)
・コーチングの目的は成長(特に長所の強化育成)
・「傾聴が前提」
・学習共有(成長の価値について組織内で共有)→対応分類→状況設定(場の設定)→情報支援
④動機付け
・行動意欲を実現させる行動
・成果の設定←目標の設定←戦略の展開が鍵(期待理論)
・マズローの5段階欲求説
⑤変革実行管理(マネジメント)
・推進力の維持(目標達成型と人材育成型)と抵抗の排除(戦略実行型と価値創造型)を両立
・技術として、①変革の既成事実化、変革抵抗のマネジメント、③対立のマネジメント
条件適合リーダーシップの技術
この章では、必要なリーダーシップの技術は職責によって異なるということだ(マネジメント・パイプライン)。これもポイント(特にメインの型)を抜粋する。
①フロントライン・マネジメント(課長やチームリーダー)
・戦略実行型
②組織経営マネジメント(部長)
・人材育成型
③事業経営マネジメント
・目標達成型
④企業経営マネジメント(CEOと経営層)
・目標達成型
⑤起業マネジメント
・価値創造型→目標達成型への転換が必要
⑥全社変革プロジェクトチーム・マネジメント
・目標達成型と人材育成型を基本としたエンパワーメント・マネジメント
⑦グローバル経営マネジメント
・(異文化を活用し、異文化に貢献する)価値創造型と人材育成型
おわりに
今回は、リーダーシップについて学んだ。参考書籍の内容が濃すぎて、ただのメモになってしまったが、何度か読み返し、実践の中で「技術」を身に付けたい。
次の記事で、IEのリーダーシップの授業を紹介します。
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