以前の記事で紹介しましたが、COVID-19(コロナウイルス)の影響で、ロックダウン、一時帰国、日本でオンライン受講をしていましたが、このたびスペインに戻ることができました。
今回は、スペインに戻るにあたり考えたこと、渡航時の実体験、現地の状況について紹介したいと思います(情報は、ブログ最終更新日時点のもの)。
スペイン帰還を検討
3月末に日本に帰国した際、マドリードに帰れるのは9月頃、ワーストケースでは卒業まで戻れないということを想定していました。毎日ニュースやスペインに残っている同級生の動きをフォローしていましたが、6/21にスペインが非常事態を解除、7/1からは欧州域外からの観光客を受け入れを発表し、帰国を検討し始めました。
家族で外国生活を楽しむという理由もあってスペインのMBAを選んだので、家族でスペインに戻りたいという気持ちがあったのですが、子供への負担、日本での生活基盤が整っていたこと、第二波への備えという面から、泣く泣く単身でスペインに戻ることに決めました。
再渡航の検討項目として、入国に制限がないこと、食料が通常通り確保できること、医療面での心配がないことでしたが、情報収集をしてOKという決断をしました。
学業面でも、キャンパスが6月末からオープンすること(F2Fとオンラインどちらでも受けられる)、そして6月末からは「スタートアップラボ」が始まるというのが決め手でした。
ラボピリオドは、4週間(例年は5週間)かけて、Tech、Startup、Social、Businessというコースを選び、実際のプロジェクトにアサインしながらその分野を深めていくという期間です。授業も朝から晩まで実施されるため、時差的にもきついというのも理由でした(Period2は9-15時なので、日本は16-22時で問題ない)。
VISA問題
渡航前にスペイン大使館からもらえる学生VISAは、3ヶ月の期間しかないので、現地に到着してからNIEカード(外国人登録カード)を申請し、期間を延長する必要があります。当然申請済だったのですが、カード申請から受け取りまでに1ヶ月ほどの期間がかかります。実はその間にロックダウンが起こり、NIEカードを受け取れないまま帰国ということになっていました。
実はこれが日本に帰国をためらった一因でもあり、日本滞在中も大きな懸念事項だったのですが、ロックダウンの3ヶ月前以内に失効したVISAは、自動的に(非常事態宣言終了後)6ヶ月間は延長すると政府が発表したので、合法的にスペインに戻ることができました。
NIEカードがないと、スペイン国外にいく時には特別な書類を申請する必要があり、とても面倒なことになります。これは現地についてから無事に受け取り、一安心しました。
搭乗手続きに2時間!
7/1に欧州が域外からの観光客を解禁するという発表が出たため、私は7月の頭の便で出発することにしました。しかし、スペインの学生VISA(NIEカード)を持っている友人が、6月末の便でまさかの搭乗拒否ということもあって少しドキドキしていました。
フライトの2時間半前に到着し、「スペイン政府が出しているVISA延長のお達し」を見せたのですが、なんとストップがかかりました。入国できない人を乗せてしまうと責任は航空会社にあるそうで、かなり保守的にチェックするとのことです。
なんとスペインの国境警察に問い合わせるとのこと。問合せるのはまあいいけど、スペイン!?絶対時間かかる…。乗客の多くが同じ状況で待たされており、みんな行き先は違うけれどもドキドキしています。
そして航空会社の方は分厚い辞書みたいな国別の規程を読みながら、対応してくれています。頭が下がる思いです。
空いている飲食店が吉野家だけだったので、最後の晩餐を食べて、カウンターに戻るが返事はまだない。出発まであと30分と言うところで、今夜はどこのホテルに泊まるかな、と考えていたところ、奇跡的に返事がきて許可が出ました(規程を見れば100%大丈夫なので当然なのですが…)。
ダッシュで飛行機に向かいましたが、出発が遅れていたのでギリギリ間に合いました。全員マスクをしているのですが、搭乗の前にフェイスシールドを渡され、全員着用で出発しました。
CAさんは全員防護服を着ながらも丁寧なサービスをしてくれ、本当に感謝しかありません。
無事スペイン帰還
何とか無事にスペインに到着しました。空港では検温と、飛行機で乗った座席や滞在先などを詳細に記した書類を提出し、入国できました。
この書類は、スペイン政府のサイトからオンラインで記入し、QRコードを読み取ってもらうことで提出とできます(こちらの方が楽)。
日常生活
外出時にはマスクの着用義務があります。昼間は30度後半まで行くこともあって、結構苦しくはあるのですが、私たち日本人はマスクに慣れているので問題ないです。スペインは夏真っ盛りなのですが、街中や公共の場では、ほぼ全員がマスクを着用しています(義務化されているので当然ですが、着用率は相当高い)。
また夜の22時近くまで明るいので、一日が長く使えます。
学校の様子
学校は厳戒態勢で、キャンパスに入るには抗体検査と毎日の症状チェックが義務付けられています。IEが開発した健康チェックアプリに、毎日症状がない旨を入力するとアプリ画面で許可が出て、キャンパスに入ることができます(ヘルスパスポートと呼んでいます)。教室や会議室も定員の半分以下しか入れず、座れる座席も決められています。
授業はオンラインとオフラインのどちらでも受講できる形式なので、大体半分くらいの人が来ています。
また、屋外のカフェがオープンしていました。
第二波への備え
無事に到着できて、今はほっとしていますが、第二波は必ず来ると思って動いています。荷物も8月中に全部日本に送り返し、第二波が来そうだったらすぐにトランクひとつで帰れるように準備をしています。
おわりに
日本一時帰国からスペイン再渡航までの一連の流れをまとめてみました。私個人の体験談が、少しでも参考になれば嬉しいです。
サマープログラムで「コロナと地政学」という授業を受けたので、内容をまとめました。