総合商社に転職で年収1.5倍?海外MBA後の転職活動まとめ

⑤卒業後
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MBA受験生、MBA卒業生の方、また転職を検討されている方、以下のような悩みをお持ちではないでしょうか?

  • MBA卒業後、数年が経ってからの転職活動はどんな感じ?
  • MBAは総合商社の転職に有利なの?
  • 総合商社へ転職すると年収はどれくらいアップする?

今回はそんな悩みにお答えするために、海外MBAを約5年前に卒業され、現在は総合商社で働いている鈴木さん(仮名)にインタビューしました。転職活動のリアルを詰め込みましたので、とても参考になる内容だと思います(本人の特定を防ぐため、一部の情報を曖昧にしております)。

自己紹介

鈴木
鈴木

JTCで働く鈴木(仮名)です。約5年前に海外MBAを卒業しました(留学中は会社を休職し私費)。卒業後は元の会社で数年働いたのちに転職し、現在は総合商社で働いています。転職活動時の私のスペックとしては、10年程度の専門性(特定業界×特定職種)、海外経験(海外MBAのみ)でした。

転職について

まず、「MBA直後の転職は考えなかったのか?」としばしば聞かれますが、休職後のポジションが私のやりたいことだったので、一旦元の会社に戻ることにしました。ただ、転職自体は常時選択肢にあり、MBAから数年が経った時点で、本格的に転職活動を始めました。

転職の理由

転職活動を始めた理由としては、①年収アップ、②海外案件への関与、③違う環境でのチャレンジでした。

①年収アップ:元の会社でも、職階と年収も徐々に上がっていましたが、年功序列で横並びの傾向が強いです。MBAを取得したことによる年収アップはありません(もちろん留学前からわかっています)。

②海外案件への関与:前職の会社でも海外案件に関与していましたが、駐在も含めた海外案件のチャンスを考えると、商社の方がベターです。

③新たな環境での挑戦:これは30代の方々なら共感頂けるかと思いますが、誰しもが次の環境を考える時期だと思います(実行するかしないかは別として)。また、海外MBAの経験・自身の専門性を活かして、次の場所でもチャレンジしたいと思っておりました。

自身の強みと転職の戦略

最初に紹介した自身のスペック(=強み)として、10年程度の専門性(①業界×②職種)、③海外経験(駐在なし、海外MBA、TOEIC900+)を考え、①②③が全て要求される部門に応募をしました(全ての商社が①〜③を満たす求人を出しているわけではないので、一部は2つが求められるところに応募)。

応募企業は10社弱でしたが、書類作成、Webテスト、面接を考えると、これくらいが限界だったと思います。

また、MBAが役に立ったか、という体感については、書類選考(+1次面接)の足切りを超えるためには、十分役だったと思いますが、最後の内定をもらうという部分においては、MBAはほぼ関係なかったと思います(職歴や人間性の方が大事)。

結果

幸いなことに、複数社内定を頂きました。直近の資源バブルも含めてですが、転職後の平均年収は大幅アップ(年にもよりますがざっくり1.5倍程度)しました。

結果
  • 書類選考は全通過→内定(40%)、辞退(60%)
  • 社員面談→10社弱で20名以上話を聞きました
  • キャリアコンサルタント→複数活用(ビズリーチ、知人の紹介)

一番重視したのが社員面談で、自分の知り合いや紹介をお願いすることで、各社複数人から話を聞ききました。

具体的な選考の流れ

どの企業も大体下記の通りです。

具体的な選考の流れ
  1. エントリー
  2. 書類選考(職務経歴書、履歴書、志望動機)
  3. WEBテスト(計数、言語、英語、適性検査)
  4. 面接(3〜4回)
  5. 内定

各フェーズで心掛けたことを紹介します。

①エントリー&情報収集

私は自分の会社で働き続けるという選択肢もあったので、ある程度会社を絞ることができました。その上で、デスクトップ調査+人から直接話を聞く、の流れで情報収集を進めていきました。

実際に話を聞いたのは、現役社員、OB社員、エージェントの方々です。話を聞く中で意識していたのは、①自分の専門性が実際にどのように求められ、どのように活かせるのかを具体化すること、②商社という未知の世界での働き方・配属される部署での業務を具体化することで、転職後の仕事の解像度を上げることでした。

②書類選考

基本的に、職務経歴書やエントリーシートはベースが同じであり、個社ごとにカスタマイズ・味つけするという形でした。

③WEBテスト

まずは参考書を1冊購入して問題の型と解き方を覚えました。その上で実践あるのみです。コツは、志望度が低い会社から受けるということ、そして記憶が新しいうちに、解き方を忘れる前に一気に複数社受けるということです。

④面接(会社によって3〜4回)

面接が進むにつれて、面接官の職階が、担当者→課長→部長→役員という形で上がっていきます。私の場合は、誰が次の面接官なのかを、人事やエージェントが教えてくれました(教えてくれない場合もありますが、少なくともこちらから聞きましょう)。面接官(人が特定できなくても年齢や役職等)が分かれば、ある程度対策はできると思います。

面接は数をこなせば上手になります。参考までに、私の場合は、5回目で慣れた感覚、10回目では何を聞かれても余裕を持って返せる、という状態になりました。企業には申し訳ないですが、ある程度志望度が低い企業を先に持っていくということも選択肢かと思います。

⑤内定

複数社を受けている場合は、スケジュールも含めてしっかり企業に伝えた方がお互いにとっても良いと思います。加えて、何が意思決定に必要なのかを明確に伝えれば、企業側も(できる範囲で)対応してくれると思います。私の場合は、実際の部署の方との面談、オフィスツアーをお願いしました。

転職活動振り返り

結果として、働きたい企業から複数社内定を頂き、年収も上がり、転職後も前向きに働くことができているため、転職活動は成功だったと思います。その要因を順不同に振り返ります。

要因
  • 求人と私の職歴のフィット感
  • 商社のキャリア採用拡大の波に乗れたこと(チャンスが拡大)
  • 見た目の良い履歴書と実務でやってきた泥臭さのGAPをアピール
  • 面接は明快なコミュニケーション(質問に端的に答える、とにかく会話、ドンドン聞く)
  • スケジュール管理(複数社内定をもらうことを前提に選考タイミングをコントロール)
  • エージェントの活用(情報収集、壁打ち、企業との代理交渉)

おわりに

総合商社において、キャリア採用の数は増えていると思いますが、倍率も相当高いと聞きます。ある程度の実力があることが前提ではありますが、30代の転職は自分にフィットする部署・業務の求人が場に出ているかどうかが極めて大事です。私の場合は、自分にフィットする部署かつ業務が出ており、とても幸運でした。幸運を理解した上で、しっかり戦略的に望めば、内定の確率は上がると思います。

私の体験談が、今後MBA関係者、そして転職をされる方の参考になれば幸いです。

編集局
編集局

貴重かつリアルなお話、ありがとうございました。

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