私を含めた多くの日本人は、学校、留学、資格試験、英会話スクール、オンライン英会話、参考書など、大量の時間とお金を「純粋な英語力の向上」に費やしてきていますね。
正直うんざりしてきている自分がいて、テクノロジーが発展している中で、今までと同じように英語の勉強をしていく必要があるのか?、考え方を変えた方が良いのでは?と思い、少し考えたことをまとめてみました。
もちろん英語力はあるに越したことはないので、英語の勉強自体を否定をしているのではなく、テクノロジーを活用してレバレッジをかける考え方が大切です。
この記事は、そういう考え方もあるよねーと参考程度で読んでもらえるとありがたいです。
テクノロジーの進歩
英語をめぐるテクノロジーは、AIに代表されるように、ここ数年急激な発展を見せています。この流れは今後加速することは間違いないです。まずはMBA留学中、私がどんなサービスを使っているのかを紹介します。
Reading
MBA留学中は大量の英語を読みます。ケース、テスト、メール、チャットなどです。じゃあ私はどうしているかというと、ガンガンGoogle翻訳を使っています。なぜなら、圧倒的に時間がもったいないです。
私は留学前に日本語と英語をそれぞれ読むスピードを比べてみたのですが、5〜10倍の差があることが判明しました。絶望した覚えがありますが、その時に「最初は日本語で読んで英語で大事そうなところを押さえたら相当時間が圧縮されるのでは?」と気持ちを切り替えました。
効果は抜群です。極端な例ですが、予習が数時間→30分になったり、1時間→5分とかになったりします。内容や重要性に応じてどれくらい時間をかけるか決めてます。(和約版だけ読んで)英語で読む必要すらないものも中にはありますよね。
Writing
論理的でわかりやすい文章を書くように心掛けています。内容さえしっかりしていれば、細かい部分、例えば単語のスペルなどは自動で修正されるので正確に覚える必要もないですし、Glammaryのような自動添削ソフトや、ネイティブの同級生にお願いする、オンライン英会話の先生、添削サービスを使いましょう。
Listening
GoogleMeetsやZoomには同時字幕機能がありますよね。使えるものは何でも使いましょう。さすがに教室では使えませんが、仕事であれば、同時字幕機能でも何でも使えば良いです。
Otterという自動文字起こしサービスがあるので、スマホをおいてミーティングもできますね。流石に飲み会や日常会話では使えないと思いますが、本当に必要であれば使えば良いです。
Speaking
留学中は使えませんが、世の中にはポケトークなどの自動翻訳機がありますよね。こうした自動翻訳機でタイムラグがなくなれば、旅行や仕事であればガンガン使ってコミュニケーションを取る、というのは100%実現可能な世界ですね。
どんな能力が必要?
英語力はテクノロジーでレバレッジをかけるとして、空いた時間で何を身につけるべきか?、テクノロジーでも超えられない能力とは何か?について考えてみましょう。
異文化理解力
ダイバーシティな環境は、全員の文化・行動様式が違うのは当然です。こうした環境で、リーダーシップを取れ、物事を前に進めることができる力がとても大切です。国や地域によって何が違うのかを「知識として持っており」、「実践で身につけていく」ことが必要ですね。
この記事でその辺はまとめています。
論理的思考力
論理は言語も国境も超えます。これが一番大事なのではないでしょうか。曖昧さをなくした明確でシンプルな論理展開で、わかりやすく伝えるということを意識しましょう。伝わればよいので、口頭だけでなく紙に書いても良いし、ホワイトボードを使ってもよいです。
人間力
これは説明しづらいのですが汗、そもそも話を聞いてもらえる、信頼してもらえる、助けてもらえる、他人を巻き込んで動いてもらえる、こうした人間的魅力を身につけたいです。
個人によって違った人間力があると思いますが、私はGive and Giveの精神、やりきること、チームのために動くこと、ユーモアなどを意識し、信頼してもらえる人間になれるように頑張っています。
体力と精神力
体力はとても重要です。昼間はパワフルに働き、夜もパワフルに遊ぶ。こんなスーパーマンがMBAにはたくさんいます。体力は普段から鍛えておくしかないですね。
精神力も同じくらい重要です。物怖じしない力、挑戦を恐れない、好奇心、諦めない気持ち、これも人によって違いますが、自分なりの武器を見つけられるとよいですね。
最低限身につけるべき英語力とは?
テクノロジーの進歩と、テクノロジーを超えた人間力について見てきましたが、とはいえ最低限の英語力は必要ですよね。ここでは、どんな力が必要なのかを考えてみました。
ケースバイケースで、少し極端な話をしているので、参考程度にお読みください。近いうちにドラえもんの「翻訳コンニャク」が現実化するはずで、そうしたら英語力は全く不要になるのかもしれません。
Reading
正確に読める力が必要だと思います。基本は、AIの翻訳プログラムが相当正確に訳してくれるので、気になる部分や重要な部分だけを読めれば問題ないかなと思います。
どちらかというと母国語できちんと読んで理解できる力の方が必要かもしれません。
Writing
日本語で書いて翻訳されたものをベースに修正すればよく、長文をネイティブの使う表現でスラスラかけるよりも、誤解が生まれにくいシンプルな論理構成で、簡単な単語を使えればよいでしょう。
将来は書く作業は減るはずで、音声認識(日本語で話してAIがその場で英語に直してくれる)が進むはずです。
Listening
聞けなくても、機械が認識した文字(字幕)が読めればよいです。英語字幕で映画が見れるレベルであればOKではないでしょうか。音声認識→英語→日本語のタイムラグはほぼないので、誰かが喋っている英語が、日本語で文字として同時に出てくるのも技術的には可能で、実用化は時間の問題でしょう。
Speaking
日本語で話せば機械がニュアンスや声のトーンなども含めて英語に直してくれる時代は既にきています。どちらかというと、他言語に翻訳される前提で、論理的で簡単な日本語を話せる方が重要なのかもしれません。
おわりに
英語力をテクノロジーでレバレッジをかけるという考えは、これからの時代とても大事だと思います。一方で、コミュニケーションは人間と人間なので、英語で直接話せた方が楽しいですし、当然伝わります。
なので、自分がどういう状況で、どんな英語力(またはそれ以外の力)が必要なのか、テクノロジーでレバレッジかけれないか、テクノロジーが使えない部分はどこか、戦略的に考える必要があるのかなと思っています。
最後に言い訳ですが、タイトルは多くの方に読んでもらうために過激にしていますが、一番伝えたいメッセージは「目的に応じて、自分の能力とテクノロジーの能力を考慮しながら、戦略的に考える」ということなので、ご理解頂けるとうれしいです。