IEに入学し、6ヶ月間のCore Period(必修)、5週間のLab Periodを終えると、残りは3ヶ月のElective Periodに突入します。100以上の選択肢から、自分の学びたい科目を取ることができます。
そこで今回は、IEの起業プログラムである「KNOWLEDGE INCUBATOR(KI)」の授業内容を詳しく紹介します。
以上の内容を、実際に授業を受けた私が詳しく説明していきます。
Electiveにはもう一つVenture Labという選抜起業プログラムがありますが、これは10チーム限定で、応募条件も厳しいです。KIは希望者が全員参加できますが、内容や教授は同じなので、問題なく進められます。実際、最後のピッチで優勝したのはKIのチームでした。
カリキュラム概要
各チームが、自分たちのアイディアでひたすら実践で進めていくカリキュラムになっています。基本的には毎週授業があり、各自の進捗を説明してフィードバックをもらうというのを繰り返していきます。
1. IdeationとProblem探索
ピッチ
初回の授業はいきなりピッチです。アイディアをもっている人がピッチをして、メンバー探しを行います。IE生は一人いれば良いので、IEではないメンバーとチームを組むパターンもあります(私もそうでした)。
ランディングページと顧客調査
初回の授業の宿題が、ランディングページ(LP)の作成とアンケート・インタビューを実施することでした。必修のアントレの授業とStartup Labで誰もが基礎知識を持っているので、レクチャーはありません。
LPとは、特定のユーザが求めている情報を1ページに集約したもので、起業の場合はプロダクト紹介が多いです。ここでアイディアを具体化し、サイトのトラフィックや登録者数を見ながら仮説を確かめていきます。
2. Validation
アイディアをひたすらValidationしていきます。実践プログラムなので各チームがどんどん進めていきます。
ProductとTraction
一刻も早くMVP(最低限の機能を持ったプロダクト)を投入します。同時に、自分たちのツテやSNS・Webサイトなどを使いながら顧客にガンガンアプローチし、トラクションを集めていきます。
関連記事:IE起業プログラム:投資家に一番響くピッチ内容は「トラクション」
メンターとインターン
チームに1〜2人メンターをつけることができます。自分たちで必要だと思うメンターを選び、定期的にミーティングをすることができます。また、経営学を学ぶ大学院生にインターンをお願いすることができるので、私の場合は合計3人の学生にマーケティングを依頼しました。
3.ビジネスプラン
ビジネスプランは3つの意味があります。
- 卒業プロジェクトのため
- KIの授業の単位をもらうため
- 起業家ビザの申請のため(希望者)
(全員必須の)卒業プロジェクトとは、チームで課題に取り組み、最終ピッチとレポートを提出します。2種類あり、IEが提携する企業のPJに参画するパターンと、自分たちの起業PJで進めるパターンがあります。KIの参加者は、後者を選びます。
ビジネスプラン
ビジネスプランは、数十ページにもおよぶ大作になります。別途、「起業家ビザ提出用:ビジネスプランテンプレート」という記事を書きたいと思いますが、テンプレートの中身はこちらです。
- Executive Summary
- Opportunity, Product, Service
- Economic and Social Impact
- Market & Industry Analysis
- Business Plan
- Operational Plan
- Marketing & Sales
- Financing
- Team
- Risks, Uncertainties, and Mitigation
入学してから学んできた全ての教科の内容を踏まえて、アウトプットを出します。
1ページサマリー
レポートを1枚のポスターにしたものを作ります。参考までに私のチームのものを紹介しますね。
5年損益計画
5年間のPLを作ります。基本はPLですが、チームによってはBSやCFもきちんと作成する必要があります。
4. ピッチ
Electiveの終盤では、毎週ピッチを授業で繰り返しました。最終的にVenture Day FinalというIE全体のピッチイベントが卒業間近にあるのですが、各チームが予選から参加していくことになります。
おわりに
アントレをやろう!とIEに入学し、1年間を通じて思いっきり学ぶことができました。半年間の必修、1ヶ月の集中プログラム、3ヶ月のKnowledge Incubatorを経て、実践力は相当ついたかなと思います。
IEのアントレプログラムは、こちらの記事にまとめていますので是非!