アフターコロナのM&A入門_おすすめ本20冊

2. 経営戦略
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独学MBAカリキュラムでは、MBAの内容を独学で学べるコンテンツ(Webページ、動画)10つのトピックに分けて紹介しています。今回は「経営戦略」に該当する、M&A関連のオススメ本を紹介します。

この記事を読めばわかること
  • M&Aの基本を学ぶための本
  • MBAのプレーヤー(買い手や売り手、専門家)の役割を知るための本
  • M&Aをめぐる最新トレンドを知るための本
Sun
Sun

今回は入門編として、初心者向けのわかりやすい本を集めました。

参考書籍一覧

全体が学べるもの、主に買い手の視点のもの、売り手の視点のものに分けました。

M&A全体概要

日本M&Aセンターの幹部が書いた本です。M&A全体のトレンドを俯瞰し、次いで各業界(IT、食品、製造、建設、住宅、薬局、物流)のM&A概要を紹介してくれており、最初の一冊にぴったり本です。国内のM&Aがメインです。

大前研一さんの本で、日本企業がクロスボーダーM&Aを成功させるための条件や、日本企業によるM&Aの具体例が解説されています。クロスボーダーM&Aのトレンドをつかめます。

日本のM&Aが本格化した90年代から00年代半ば、主要プレーヤーとしてM&Aをリードしたゴールドマン・サックスのアドバイザーの著者が、自らが手がけた多くのM&A案件の内実を明かしている。日産自動車、三菱自動車、ダイムラー・クライスラー、日立製作所など多くの企業が登場します。

ゴールドマン・サックス出身の同じ著者の本。前回の本は著者が担当した案件を厳選して紹介しているが、今回はそれ以外も広く取り上げている。理論もきっちり学べるだけでなく、具体例(成功例と失敗例)から学ぶことができる。

地方金融機関の渉外担当者(企業担当)に向けて書かれた本ですが、M&Aの流れ、メリット・デメリット、アドバイザーの役割、株価評価方法やM&A取引の種類など、基本的なところは全て押さえることができます。この本でも、中小企業の事業継承問題が取り上げられています。

企業価値・バリュエーション

KPMG FASが出している本で、彼らはM&A、事業再編・再生関連アドバイス、デューデリジェンス等のサービスを提供しています。本書は、企業価値評価のしくみから算出の実際、計算する際のポイントを、図解をもとに解説してくれている初心者〜中級者向けの本です。コーポレートファイナンスの授業で学んだ内容が、わかりやすくまとめられています。

バリュエーションについて、シンプルな計算式でわかりやすく解説してくれています。

企業価値について、経営に携わる人向けにわかりやすく解説した本です。同じような内容でさらに詳しく学びたい方は、2冊目をどうぞ!

買い手向け

筆者は弁護士と公認会計士の両方の資格を持つスーパーマン。M&Aの最初からクロージングまでを、買収側の経理部長と若手弁護士(法務アドバイザー)が主人公のストーリーで楽しく学べます。M&A仲介会社の社員、若手弁護士の友人の会計士も登場し、各プレイヤーの役割を学ぶことができます。

日本企業の中でもM&Aが上手と言われている、JTの元CFOが書いた本。クロスボーダーM&Aや海外戦略について知りたい方はぜひ!

こちらもM&Aの成功確率が「異常なほど高い」日本電産の、元M&A責任者が書いた本。なぜ、日本電産が買収先の企業をV字回復できるのか。そのマインドセットやメソッドについて詳細に紹介されています。

グローバル化のなかで企業にとっては必須の海外企業のM&A。本書では、海外企業買収を成功させるのに必要なノウハウを10の法則として、法務面から弁護士の著者が解説しています。第二部の各企業のM&A法務担当者の座談会がリアルで参考になります。

著者は戦略コンサルタントで、この本のテーマはセカンドPMI(会社を買収してPMIを開始し、3〜5年が経過したタイミング)。PMIで積み残した課題をどう解決するか、シナジーをどう上げていくかについて、実例をもとに紹介してくれています。

M&Aの成功率はたった3割を言われていますが、失敗の原因について体系的にわかりやすくまとめられた本です。

中小企業の大廃業時代にぴったりの本3冊です。サラリーマンが個人で会社(事業)を買収し、経営していく「個人M&A」についてわかりやすくまとめています。

売り手向け

公認会計士・税理士であり、事業継承M&Aの専門家である著者の本。250万人の中小企業経営者が、一般的な引退年齢の70歳を超えると言われる「2025年問題」。半分の125万社で後継者が決まっていないそうです。先ほど紹介した「個人M&A」と表裏の関係ですが、事業継承の手段として、M&Aは今後も増えていくでしょう。

スタートアップの創業者向けの本で、エグジットの手段としてIPO(上場)より、ハードルの低いM&A(売却)が人気になっていきています。会社を売却し、得られた資金で再び起業していく、シリアルアントレプレナーについての本です。

小説

M&Aを楽しみながら理解することができます。実務のイメージを掴むのに加えて、エンタメとしては最高です。

あらすじ:2009年、ハゲタカと呼ばれる世界的な企業買収者・鷲津政彦は、原子力発電所を建設する民営会社の買収に失敗。財・政・官が絡みあう、権力構造の複雑さを思い知る。その2年後。リベンジとして「首都電力」(東京電力がモチーフ)に買収を仕掛けようとした矢先の2011年3月に東北に大震災が発生し、津波、原発事故が襲う。

今後、中小企業の継承問題で大切になってくる、少数株主。ざっくりとイメージを掴みたい方はこの小説がオススメです。

花森石鹸という老舗の石鹸メーカーが、外資系企業に買収されるお話です。買収された企業の社内のドタバタ劇や人間関係など、実際に起こりうるだろうことが描かれています。

M&Aの実務に携わる向け

M&Aの一連のプロセスを丁寧に解説してくれています。本の前半で買収案件、後半で売却案件が紹介されており、M&A実務に携わる方にとって、この一冊があれば大変心強いです。

おわりに

今回の記事は、M&Aの基礎が学べる入門本を紹介しました。今後も追加していくのでお楽しみに〜。

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