MBAはビジネスリーダーを養成するコースですが、リーダーの重要な仕事は意思決定ですよね。今回は、意思決定の質を上げ、不確かな未来から利益をあげ続けるための意思決定の方法を伝授します。
こんな悩みありませんか?
- 意思決定が苦手
- 正しい意思決定のやり方を知りたい
- 悪い結果をずっと引きずってしまう
この記事を読めば、海外のビジネススクールで教えられる意思決定のやり方「確率思考」を身につけることができます。
なぜなら、海外MBA留学経験者で年間100冊の本を読む私が、大量のインプットから必要な情報をわかりやすくまとめているからです。
では、リーダーに不可欠の確率思考を見ていきましょう。
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誰もが陥る過ち
みなさん、あなたが今年下した「最善の決定」と「最悪の決定」を思い浮かべてみてください。
おそらく「最善の決定」のあとには良い結果、「最悪の決定」のあとには悪い結果がきていると思います。
もしそうなら、あなたは「後知恵バイアス」に陥っている可能性が高いです。これは、結果が出てから、あの施策は失敗だったと言う、巷によくある話ですね。
意思決定した時点では、結果がどうなるかわからない。だからこそ徹底的に事前に検討し、少しでも成功確率が高い選択肢に「賭ける」。こうした「確率思考」を身につけましょう。
確率思考とは?
優れた意思決定者は、「世界が不確実で予測不可能」だと認識しています。確実な部分に焦点を当てるのではなく、「不確実な部分」にこそ注目して、リスクを下げる努力をしています。
その意味で、全ての意思決定は賭けなのです。AとBの選択肢がある場合、AかBかの0-100で考えるのではなく、Aの成功率は70%、Bの成功率は60%と考えます。仮にAを選んで失敗しても、Aを選んだ意思決定は正しいと考えます。
では、リーダーに不可欠の、確率思考を身につける5つの方法をみていきましょう。
確率思考を身につける5つの方法
①主観
人間は主観に左右されることを強く認識すべきです。人間が主観を形成するメカニズムを理解しましょう。
- 何かを聞く
- 信じる
- 機会があればその内容の真偽を吟味する
何かを聞いて、吟味をして、信じるというのではないということを強く認識しておきましょう。
ここから、私たちがすべきことは「情報に触れた時に、内容の真偽を吟味する」「自分の主観とその根拠も含めて吟味する」の2つです。
②グループ
間違った主観を避けるための一番の方法は、グループでディスカッションをすることです。意思決定の質をあげるグループには、特徴があります。
- 主観ではなく、情報の正確性を重んじる
- 意見には説明責任(根拠)が課される
- 多様な意見をオープンに受け入れる
結論+理由+具体例の英語のロジックが役に立ちますね。MBAの授業では、上記の3つが担保されるように、学生も教授も気をつけています。
③結果
結果を分析するとき、結果の良し悪しを意思決定の良し悪しと結び付けてはいけないですが、どうしたら良いのでしょうか。
結果が出た要因を、「運(コントロール不可)」と「意思決定(コントロール可なもの全て含む)」の2つに分ける必要があります。
コントロール可能な部分に焦点を当て、次に活かしていきましょう。
④シナリオ思考
確率思考には、シナリオ思考が不可欠です。これはMBAケーススタディの予習の仕方と共通します。問題を把握→複数の解決策(=シナリオ)を考える→意思決定という流れです(参考記事:MBAケーススタディ攻略法)。
複数のシナリオを考え、得られる結果の「絶対値」で考えるのではなく、成功確率と得られる結果の「期待値」で考えることが大切です。
⑤逆算思考
これは未来から遡る思考で、特に大型プロジェクトの際に役立ちます。成功する結果を具体的に想像し、必要なステップを踏んでいくポジティブな逆算思考。失敗を具体的にイメージし、それを防ぐために逆算して策を講じるネガティブな逆算思考があります。
この両方を組み合わせることで、成功確率を高め、失敗確率を下げることができます。
意思決定をしてから10分後、10ヶ月後、10年後を想像し、自分が後悔しないかを考える10-10-10のテクニックもあります。
おわりに
誰もが陥りやすい「後付け思考」。失敗(結果)したからと言って、意思決定も悪かったと考えるのは愚の骨頂です。
未来は不確実だという前提のもと、0か100ではなく、◯%というグレーゾーンで意思決定するのが正しい方法になります。
主観を避ける、グループで議論をする、結果から学ぶ、シナリオ思考、逆算思考を意識しながら、意思決定能力を向上させてみてはいかがでしょうか。