HAYAです。今回は7月に行われたTech Labについて話したいと思います。入学して半年間はCore Periodと言われ、全員が同じ科目を取りますが、このLab期間から選択式になります。
この記事のライター(HAYA):2020年1月にIEビジネススクール入学。Lab PeriodではTech Labを選択。Venture Dayでファイナリストに残り、日本人過去最高の3位を獲得。
Lab期間では、Startup Lab, Business Impact Lab, Tech Lab, Social Impact Labの4つのLab(もしくはインターン)から好きな一つ選び、自分の学びたいフィールドに特化します。Startup Labは自分で仲間を集めて起業アイデアを練り毎週投資家の前でPitchをする、Social Impact Labは南アフリカのプロジェクトにインターンする、Business Impact LabとTech Labは企業向けのコンサルティングプロジェクトに取り組みますが、Tech Labはデジタルテクノロジーに特化しています。詳しくは、IEの日本人向けサイトをご覧ください。
Tech Lab概要
私は特に自分でやりたい起業アイデアがあったわけでもなく、Business Impact Labは主にコンサル・ファインナンス志望者向けであり、また私は最新のテクノロジーに興味があったため、Tech Labを選びました。Tech Labの今年のパートナー企業はIBMであり、IBMのTechnologyを使って、更に4つのフィールド(Retail/Transportation/Travel/Banking)の中から1つ選び、新たなビジネスアイデアを考案するというプロジェクトでした。私のグループはRetailを選びましたが、今年のRetailのパートナー企業はZARAだったので、スペインらしくて非常に良かったです。通常の講義に加えて、週に一回、IBMとZARAの人が加わってBusiness Ideaを練るMentoring Sessionが行われました。
Tech Labの成績は、パートナー企業とビジネスアイデアを考案するPitchするファイナルチャレンジが5割を占め、残りの5割はTech関連のSessionでした。Core Periodのように一科目で10~30単位(Session)あるわけではなく、1~4Sessionで終わる短期間の科目が多数あります。
参考までに、2020年7月の科目を紹介します。
- ANALYTICS
- BLOCKCHAIN
- DIGITAL MANUFACTURING
- DIGITAL TRANSFORMATION
- QUANTUM COMPUTING
- ROBOTICS PROCESS AUTOMATION
- LEGAL CHALLENGES TO TECHNOLOGY ADOPTION
- TECHNOLOGY DEEP DIVE
- DEVELOPING TECH FUTURES
- DIGITAL LEADERSHIP
- UNDERSTANDING TECH TRENDS
- AGILE-DRIVEN TECH PROBLEM SOLVING
- DESIGN THINKING, CREATIVITY AND IDEATION
- MANAGING IT ENABLED CHANGE
- PRODUCT DESIGN AND INNOVATION
- PRODUCT MANAGEMENT TOOLKIT
- TECH TOOLS FOR FRAMING DATA-DRIVEN INSIGHTS
- TECH-FOCUSED PITCHING AND STORYTELLING
それぞれの授業は、ファイナルチャレンジの補完的な役割をしており、アイデアを練るのに助ける役割を果たします。そうはいってもかなりテクニカルな座学もあり、3D Printingは実際に3D Printing ソフトの使い方などマニアックなものもありました。IBMの方が講師となってIBM Watson(AIソフトウェア)の使い方や、実用例などの紹介もあって面白かったですが、1か月間だけだったので、少し深く入り込むには短かったかなという印象です。
授業の感想は、”Technology is always an opportunity and threat“、技術を生かすも殺すも自分次第であり付き合い方が大事だ、ということです。AIもそうですが最新技術を学ぶと、ワクワクする反面、恐ろしいと感じることが多いです。人間の手に負えなくなるだとか、BMI(brain machine interface)で脳の記憶を書き換えるとか、人間の基本的尊厳を傷つけてしまうなど倫理観を問われます。しかし歴史上いつもそうであるように、正しい知識を身につけ、自分なりに正しい向き合い方を模索して行動していかなければ何も恩恵を受けることができない、というのも事実だと思います。
そのようなことを考えさせられる動画を参考まで。
最終プレゼン
ZARAとIBMをパートナーにしたファイナルチャレンジは、私達のグループは、SNSやその他の顧客情報からAIのChatbotを作るという提案を練りました。Chatbot自体は、目新しいものではありませんが、昨今のChatbotはそうはいってもそこまで使いやすいものではなく、Recommendationがあっていない、質問への対応が気持ちよく使えないといった問題がある中で、どうやったら本当の顧客満足・販売促進につながるChatbotを作れるか、というのを簡単なプロトタイプを作成して、グループでプレゼンしました。
また実務的には、このTech Labを通して、色んなソフトウェアを使って面白かったです。GUIのプロトタイプを作るInvision、スライドも私はパワーポイントユーザーですがCanvaを使ったり、グループワークでTrelloやMiroを使ったりしました。
オンラインでも、キャンパスでも受講できるLiquid Learning
ちなみに私は7月中旬にマドリードに渡航したので、前半は日本でオンラインで受けて、後半はマドリードで教室で受けました。私の学校はコロナ禍でもFlexibileに学べるLiquid Learningというのを強く推しています。
オンラインの学生は教室についているカメラから授業を見て、教授は教室の生徒と画面に映し出されているオンラインの学生とチャットボックスに注意しながら授業を進めます。オンラインの方が聞き取りにくく、授業に集中しにくいのもあり、同じ質かと言えばそうではありませんが、コロナで全く授業ができていない学校もある中で、よく学校側も対応したなという感想です。
現に、コロナ禍でよく準備できているビジネススクールはというランキングで、IEはInnovationとCreativityで世界トップ10、StartupのトレーニングでStanfordに次いで第2位に輝いています。
おわりに
Liquid Leaningはこのまま卒業まで続きます。私は教室で受けるのが集中しやすく好きですので、基本、教室で受けることになります。
次回は、8月のサマープログラムの内容を紹介します。