VISAの取得は時間とお金がかかります。やることはシンプルで、必要な書類を全て揃え、スペイン大使館に提出するだけなのですが、必要書類に関する情報を集め、読み解き、関係各所に問い合わせ、実際に書類を過不足なくゲットするのが大変です。

留学生2人の実例を交えながら、ビザに必要な書類とその集め方を、徹底解説していきます。
- 本人と家族分のVISA取得に必要な書類と入手方法
- VISA取得の体験談やアドバイス

会社とかで人事がビザで対応悪いとか言いますが、個人でやってその大変さを実感します。言うても大企業で海外赴任って手厚いなと実感します。

実例をもとに解説しているので、情報は参考程度にお考えください。正確な情報を入手するために、必ず大使館や学校、関係省庁に問い合わせてください。
①留学研究査証の申請方法(本人分と家族分)
スペイン大使館のページに、必要書類と申請方法が記載されています(日本語)。まずは下記のページを熟読しましょう。

VISA手続きに関する不明点は、スペイン大使館にメールで聞けます。割とすぐに返事がもらえました(電話は全く出てくれないので、絶対にメールをお勧めします)。
②VISA申請に必要な書類一覧
私がスペイン大使館の書類から転記したものなので、必ずオリジナルを確認くださいね。
本人用 | 家族用 |
1.査証申請書 | 1.査証申請書 |
2.写真 | 2.写真 |
3.パスポート (原本+コピー1部) | 3.パスポート (原本+コピー1部) |
4.滞在目的を証明する書類 (原本+コピー1部) | 4.滞在目的を証明する書類 (原本+コピー1部) |
5.海外旅行保険証書 (原本+コピー1部) | 5.戸籍謄本 (アポスティーユ必要) |
6.経済能力を証明するもの (原本+コピー1部) | 6.経済能力を証明するもの (原本+コピー1部) |
7.航空券の予約確認書 (原本+コピー1部) | 7.健康診断書(原本) |
8.渡航同意書 (18歳未満のみ) | 8.無犯罪証明書 (18歳以上のみ) |
<滞在日数が181日以上の場合> | 9.海外旅行保険証書 (原本+コピー1部) |
1.健康診断書(原本) | 10.手数料 (日本国籍は無料) |
2.無犯罪証明書(原本) | 11.連絡用データ・メモ用紙 |
③必要書類の詳細
本人の部分をまずは説明し、そのあとに家族用に追加で必要なものを記載します。番号は上記のリストと一致しています。
1. 査証申請書
必要事項を記入しましょう。本人+家族全員分必要です。
2. 写真
本人+家族全員分必要なので、撮りましょう。私は子供が小さいため自販機みたいなところではなく、カメラのキタムラで撮りました。全員分で5,000円程度だったと記憶しています。もちろん、自販機みたいな写真でも全くOKです(ただしカラーで背景は白の指定あり)。
カメラのキタムラ:http://www.kitamura-print.com/photo_id/
3. パスポート
これは問題ないですね。原本と、写真ページのコピーが必要です。スペインへの渡航予定日より10年以内に発行されたものに限られ、パスポートの査証欄は見開きで2ページ以上の余白が必要です。
4. 滞在目的を証明する書類
学校から本件についてのメールが来るので、メールに記載されているリンクから必要情報を入力しましょう(これをやらないと手続きが進まないので注意)。必要情報を入力すると、しばらくして原本が郵送されてきます。

事前コース(語学など)がある場合は、事前コースの内容が記載されたものが追加で必要です。
5. 海外旅行保険証書
最近制度が変わり、スペインで保険事業を行っている保険会社の海外旅行(医療)保険であることが条件になりました。

私は子供2人もいて、保険料だけで馬鹿にならないし、ポーランドでも現地の病院でも何とかなったので、現地の保険にすることに。学校と提携しているところが、Cigna、Asdelas、Sanitasの3つで検討。英語の資料が一番充実しているのがCignaだと感じた。メールの返信も素早かったのでCignaに決定。現地の保険だと40EUR/月くらいで済むので大きな違い。Cignaはカードで最初の12か月間を支払う仕組み。その後Certificteは非常に早くもらったが、性別に間違い発覚。問い合わせて再度発行。ちなみに保険期間は、渡航日からカバーされていないとダメと大使館から言われ、マドリード到着を11月最終日にしていたため、泣く泣く保険は11月から入るものにした。

子供がいる方は、確実に病院にお世話になると思います。
6. 経済能力を証明する書類
残高証明が一番楽です(給与明細なども可能)。参考までに三菱UFJ銀行のWEBサイトを紹介します。

社費の人は、会社が経済的に保証するという証明書を発行してもらうパターンもあります。

私の事例を参考までに紹介します。
野村證券、SBI証券
電話一本で申請可。SBI証券は月末の残高しか出せない。郵送で一週間。
三井住友銀行
郵送で10日営業日。口座の支店だとすぐ証明書が出せると最寄りの支店に言われ、わざわざ口座の支店に行ったが、結局そんな仕組みはなくなった。一枚につき900円と割高。英文と和文英訳選べる。預金日の指定もできる。
ポーランド Bank Pekao
WEBの自分の口座でStatementというのがダウンロードできるので、それで臨む。残高証明は何もユーロである必要はない、ポーランドズローチの場合は、為替表をつけたらOKと大使館からの回答。
※結局経済力証明は、WEB通帳明細の印刷だけで問題なかった模様。
※残高証明書はスペインで賃貸契約のための書類として利用することになりました。
7. 航空券の予約確認書
航空券の予約確認書でOKでした。滞在が1年を超えるため、片道の航空券しか発券できず、高かったです。渡航日は、スペイン語コースが始まる2週間前くらいで申請しました。あまり早いとVISAがおりない可能性があるのでご注意ください。18歳未満の方は不要です。

大使館の人曰く、開始日の2週間前くらいが安全、それより前だと厳しいかな、3週間前はうーん微妙ですね、というコメントでした。
8. 渡航同意書(18歳未満のみ)
MBA留学される方は18歳以上なので、こちらは不要です。
(滞在181日以上) 1.健康診断書
病院に行って、スペイン大使館の雛形に記載してもらいましょう。私の場合は一人8,000円程度、診察後その場で発行してもらえました(病院によって値段は異なるらしい)。有効期限が1ヶ月なので取得するタイミングにご注意ください。アポスティーユは不要です。

私が行ったところは、こちらでした。日比谷クリニック(

会社の健康診断の時期が丁度重なっていたため、それと兼用することに。英文の健康診断書が必要で、私がいったところは2000円で対応してもらいました。
(滞在181日以上) 2.無犯罪証明書
有効期間が3ヶ月なので、一番最初に入手すべき書類です。アポスティーユは不要です。

私の場合は東京都在住ですので、警視庁でした(参考ページ)。東京都以外は県警本部に行きます。出来上がりまで約2週間なので、再度警視庁に訪問して取りにいきました。。

私は大阪の警察本部に行きました。警察本部などいったことないので面白い経験でした。
*過去5年以内に海外に滞在していた方は、その国での無犯罪証明書が必要で、時間や手間ががかります。早めに取り掛かることをオススメします。

ポーランドの場合、取得に2週間ほどかかった模様。証明書がポーランド語のため、ボーランド大使館で翻訳認証してください、と言われる。ポーランド大使館に電話すると、そんなのやってない、とたらい回し。再度スペイン大使館に問い合わせ、ポーランド本国での宣誓翻訳でOKでした。
(家族帯同の場合)追加で必要な書類
5.戸籍謄本
まずは役所で原本を取り寄せ、スペイン語訳が必要です。ネットを参考に自分で翻訳する人もいますが、私は業者に頼みました(翻訳証明は不要)。参考になりそうなリンクを貼っておきます。
翻訳業者の例:https://www.cut-bell.com/article/14675079.html
自分で翻訳した人のブログ:https://www.kayokana.com/entry/2019/04/06/051508
アポスティーユが必要
アポスティーユとは、日本の官公署、自治体等が発行する公文書に対する外務省の証明になります。
健康診断書と無犯罪証明にアポスティーユは不要ですが、戸籍謄本のみ、外務省のアポスティーユが必要です。外務省に赴いて、その場で必要書類に記載して書類提出、翌日窓口受け取りでした。
外務省HP:https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000548.html
いよいよ申請
上記の書類を全て揃えてVISAを申請し、VISAがおりるのを待つのみです。提出後、6週間後に取りに来るよう指示があり、無事に受け取りました。
注意点として、ここで入手できるVISAは入国から3ヶ月分しか出ないので、スペインに到着してから延長の手続きをする必要があります。こちらは学校の指示に従えば問題ありません。

そして何よりも面倒くさいのは申請も、受取もスペイン大使館に直接出向く必要があり、スペイン大使館は東京にあるので、大阪住民の私としては2度も東京に行かなければならなかったです(大人は全員出頭、子供は出頭不要)。
学校関係の書類について
ちなみに、VISAとは関係ないですが、学校から卒業証明書にアポスティーユをつけて原本を持参してくださいと言われました(ビジネススクールの卒業証明書の発行に必要)。
そのため、戸籍謄本と共にアポスティーユ申請をしたら、外務省の窓口の人に、アポスティーユはできません、公印確認をして、スペイン大使館で領事認証をもらってくれと言われました。学校側に確認したら公印認証+領事認証でOKとのこと。大学が国立大学法人なのでアポスティーユできないそうです。
公印認証済みの卒業証明書を外務省で受け取ったあと、大使館に赴いて領事認証を申請。1枚800円ちょっとでした。自宅に郵送してもらう場合は切手の貼った封筒を持参する必要があるのでご注意を(近くのコンビニで購入)。1週間以内に自宅に届きました。
おわりに
かなり長編でしたが、少しでも参考になれば幸いです。内容はあくまで一例で、全く責任は取れませんのでご注意を。正確な情報は大使館、学校、関係省庁に必ず問い合わせることが必要です。