合格してから入学までは一定の期間がありますよね。その間に準備ができればベストですが、なかなか時間が取れないことも多いかと思います。こんな時に役に立つのが、各ビジネススクールが提供する事前ブログラムです。
IEでは入学前のプログラムと、入学後に1週間のLaunch Periodが開催され、Peiod1にスムーズに入っていけるように設計されています。
今回は、IEの事前プログラムの内容を詳しく紹介したいと思います。IE以外の方も、事前準備の参考にして頂けると幸いです。
プログラム概要
入学前と入学直後の2つのフェーズに分けられます。
- 入学前プログラム(統計とアカウンティング、スペイン語)
- Launch Period(入学式後の1週間)
順を追って説明していきます。
1. 入学前プログラム
全員受講のオンラインコースと、希望者のみのスペイン語コースがあります。
(全員)オンラインコース
Period1で開講される「Financial Accounting」と「Data Analytics」の授業にスムーズについていけるように、オンラインで事前課題を修了する必要があります。
Financial Accounting(財務会計)
3つのセッションと実践問題をこなします。
- Financial Accountingの基礎(目的や概念)
- BS
- PL
動画と記事を読み、クイズをこなしながら、全てオンラインで学習していきます。Period1の授業についていけるように設計されているので、内容はこちらの記事の最初の数回分を学ぶというイメージです。
Data Analytics
3つのセッションと実践問題をこなします。
- Mathematical Concepts(関数と等式)
- Probability(ベン図、条件付き確率、ベイズ理論、決定木)
- Basic statistics(正規分布、サンプルと信頼区間、仮説検定)
- Regression Analysis(線形回帰)
こちらもPeriod1で学ぶデータ分析でついていけるように、統計の基礎を学びます。内容は、入門書一冊分という感じで、下記の記事の最初の数回分を学ぶというイメージです。
(希望者)スペイン語
3週間かけてアルファベットの読み方から、基礎的な文法は全て網羅するというイメージです。15名程度の少人数で会話中心、ワイワイ楽しく進みます。スペイン語は大半が初心者なのでついていけるのですが、授業やディスカッションは英語で進むため(みんなネイティブレベル)、とても苦労しました。パートナーも参加できるので、私は妻と一緒に授業を受けていました。
授業は午前中で終了するため、同級生と食事をしたり、生活の立ち上げや観光ができる期間でもあります。スペイン語で一緒だった人たちとは、その後クラスが別れても、とても仲が良いです。妻もこのスペイン語のメンバーとは、とても仲良しです。
この時期の過ごし方は、こちらのインタビュー記事が相当詳しいです。
2019年12月、既にマドリードへ渡航し、2020年1月の入学を控えたIEの日本人新入生のうち4名にお話を伺いました。スペインでの暮らし、これから待ち受けるIEライフを通じて、どのようなことを目標としているのか、教えてくれました。
IE日本人卒業生による非公式情報サイト
2. Launch Period
入学式でクラスが発表されると、翌日から1週間のLaunch Periodが始まります。MBAの心構えから、ケースの読み方、各教科の基本となるクリティカルシンキングやデジタル世界の概要など、「立ち上げ期間」にふさわしい1週間です。
Launch Periodの最初に、Period1の固定グループが発表されるため、この期間はチームビルディングも兼ねています。予習もないので、クラスメートと毎晩飲みに行くことで仲良くなる期間でもあります。
順番にLaunch Periodの内容を見ていきましょう。
MBAの心構え
MBAのトップから「リーダー」と「マネジャー」の違いについて講義がありました。リーダーとは次のような性質を持った人のことですが、MBA期間を通じて、リーダーとマネジャーの違いを考え続けること、あなた自身のリーダーシップを身につけること。と問いかけるMBAらしい講義でした。
- Strategic thinkers
- Look Forward & Creative visions
- Challenge
- Inspire
- Motivate
この時言われた、君たちはあと365日で卒業だ!という言葉はとても印象に残っています。まさに下記のTweetの講堂で、全員ぎっしり詰め込まれて話を聞いた記憶があります笑。
アイディア
今振り返ると、IEはアントレが一番メインなんだなとわかる授業でした。「ProblemとSolution」、「IdeationとPrototype」、「新事業を考えてピッチ」という、アントレの初歩を1日で叩き込まれていました(当時は気づかず笑)。
Period1のこちらの授業につながっていきます。
クリティカルシンキング
いわゆるフェルミ推定をやりました。これは固定グループでほぼ初のグループワークだったので、とても緊張した記憶があります。死ぬほど早口のネイティブ教授が何を言ってるのかほとんどわからなかった記憶があります。
この教授は、Period2のクリティカルシンキングで再び登場します。
プレゼンテーション
イギリスのミュージカルの指導をしている方(元女優)で、声の出し方、体の使い方に始まり、最後はクラスの前でスピーチをしました。印象に残っているのが、メラビアンの法則です。これは、非言語コミュニケーションの重要性を説いています。
- 視覚情報(Visual: 55%):見た目・表情・しぐさ・視線
- 聴覚情報(Vocal:38%):声の質・速さ・大きさ・口調
- 言語情報(Verbal:7%):話の内容、言葉そのものの意味
話す内容よりも、立ち方、振る舞い方、声の出し方などを集中して学んだ授業でした。
デジタル時代
この授業は個人的に印象に残っています。
前半では氷河期時代(マンモスがいた頃)の生存戦略を考えました。左側が氷河期時代の生存戦略(=ビジネス)、右側が現代のビジネスと対応しています。
- Big Game(大きな動物)= B2B
- Small Game(小動物)= B2C
- Gathering & Fishing = ニッチ
のちの授業で何度も出てくる「指数関数的な成長」も取り上げられました。
後半はロボットの組み立てにグループで取り組み、「トライ&エラー」と「リサーチ&インテグレーション」という二つの考え方を学びました。
ケースメソッド
ケースの読み方を学びました。授業ではケースとは何か?に始まり、予習の仕方、グループディスカッション、クラスでのディスカッションと一通り教えてもらいました。この授業の内容は、こちらの記事に詳しくまとめています。
おわりに
MBAは入学前から始まっている、と感じさせてくれるような濃密なプログラムでした。当時は気付きませんでしたが、全てのプログラムが授業につながっています。少しでも参考になれば幸いです。
参考:IEのPeriod1の内容はこちら