今回は、IE Business SchoolのElectiveの授業内容を紹介します。どんな授業を受講できるのかを紹介し、私が取った授業や同級生に聞いた様子を少しずつ更新していきたいと思います。
Electiveとは?
Period1&2の必修期間、Lab期間、夏休みを終えると、卒業までの3ヶ月間はElective Periodになります。この期間の授業は、全て自分で選びます。ポイントは3つ。
・決められた単位を取ること(下限と上限あり)。大体8〜10個ほどの科目が取れます。
・全ての授業にはAreaが決められており(マーケティング、ファイナンス、ITなど)、あるAreaの授業を一定数以上取ると、その分野を集中して学んだというCertificateがもらえる
・全ての授業はBid(オークション)で決まる。全員同じ持ち点が与えられ、取りたい授業に点数を割り振ります。授業には定員があり、定員オーバーした場合は高い点数をBidした人が授業を取れる仕組みです。
Electiveで取れる科目紹介
IEの日本人向け非公式サイトが、一番わかりやすくまとめていくれていますので、まずはこちらをご覧下さい。
IEの選択科目の種類は実に120科目あり、圧倒的な数のチョイスがあります。各科目は10コマ~20コマあり、120コマ~145コマの間で選択することが可能です。
キャリアゴールによってテクノロジーやイノベーションに偏らせることも、マーケティングを中心にすることも、あるいはファイナンスを中心に取ることも可能です。それ以外に、後述するテーラーメイド・オプションがあるので、組み合わせてデザインすることができます。
IE BUSINESS SCHOOL 日本人卒業生による非公式情報サイト
Electiveの科目を、独学MBAの分類に沿ってまとめました。年によって開講される授業は変わり、私の方で同じような授業は一つにまとめたりしていますので、参考程度にご覧ください。さすがIEということで、エレクティブでもアントレ系の科目が充実しています。
私が受講した科目は、記事の後半で詳しく解説しています。
1. 思考
- ストーリーテリング:受講
- 問題解決
- データ分析(応用):受講
- ビジネスエクセル
2. 経営戦略
- M&A(デューデリジェンス)
- プロジェクトファイナンス
- ビジネスモデル
- コンサルティングスキル
- デザイン思考
- グローバル戦略
- ラグジュアリー業界の戦略
- プロジェクトマネジメント
- ビジネスオペレーション
3. マーケティング
- B2Bマーケティング
- デジタルマーケティング
- マーケティング戦略
- インスタグラム
- ニューロマーケティング
- 価格戦略:受講
- 小売マーケティング
- サービスマーケティング
- ブランドマネジメント
4. アカウンティング
アカウンティング系の科目は希望者が少なく、開講されませんでした。
5. ファイナンス
- ファイナンシャルプロジェクション
- コーポレートファイナンス(応用)
- 銀行業界
- バリュエーション
- 財務モデル:受講
- PE
- リスクマネジメント
- ウェルスマネジメント
6. 人事・組織
- ネゴシエーション
- コミュニケーション
- 組織のイノベーション
7. ソフトスキル
- グローバルリーダーシップ:受講
- ポジティブリーダーシップ
- ストーリーテリング:受講
- プレゼンテーション
8. テクノロジー
- イノベーション
- ビッグデータ
- テックプロダクトマネジメント:受講
- AIと機械学習
- グローバルAIエコノミー
- ブロックチェーン
- Eコマース
- IOT
- デジタル戦略
9. アントレプレナーシップ
- 起業プログラム:受講
- ファミリービジネス
- 新興国でのアントレ
- スタートアップ買収
- ベンチャーキャピタル
- スタートアップファイナンス
- スケールアップ
- ソーシャルアントレプレナー
- ビジネスモデル
- セールスストラテジー
10. その他
- ワールドエコノミー(上級編)
- 各国の経済
- インテリジェンスツール(諜報)
- 短期交換留学:1週間程度の交換留学
私が選択した授業
私は全部で8つの授業を選びました。基準としては、実践プログラムか、独学で学びにくいものを選びました。Tech分野では一定数以上の授業を取ったので、その分野でのCertificateがもらえます。
APPLIED DATA ANALYTICS FOR BUSINESS LEADERS
Period1の必修科目「データ分析」の続編です。ビジネスの実データを使ったデータ分析、分析からのインサイト、それをどう伝えるかを学びます。機械学習も少しですが学ぶことができます。
BUSINESS STORYTELLING & INFLUENCE
必修期間を通じて、自分は苦手だなと思った分野が「ストーリーテリング」です。ストーリーは人を惹きつけ、説得し、影響を与えることができますね。理論から始まり、実践を通じて学びます。
FINANCIAL MODELING
財務三表(PL/BS/CF)を作成するのが最初のゴールで、そこから予測モデルや感度分析、シナリオ分析ができるようにハンズオンで学んでいきます。最終イメージは、投資プロジェクトの財務モデル、リターンなどを自ら作れるようになるのがゴールです。個人的には過去の仕事で作ってきたのですが、改めて体系に学びたいので受講を決めました。
GLOBAL LEADERSHIP: LEVERAGING DIVERSITY
個人的にはとても興味があるトピック、「ダイバーシティ環境」でのリーダーシップを学びます。こちらも多国籍のグループで、ワークショップを何度も行うため、実践で学ぶことができます。
留学前の必読書30冊での紹介した、「The Culture Map」のような内容を学ぶことができました。
HANDS ON E-COMMERCE AND DIGITAL STRATEGY
こちらも実践型プログラムです。実際にEコマースサイトを立ち上げ、ドロップシッピング(在庫を持たず売れたら提供者が直接発送)で製品を売り、GoogleやFacebookに広告を出し、SNSマーケティングをやりながら売上(手数料)を拡大していきます。
もう一つは、NGOプロジェクトと言って、NGOのデジタルマーケティングをGoogleAdsを使いながら実践するという内容です。
KNOWLEDGE INCUBATOR
IEの目玉である「Venture Lab(起業向けインキュベーションプログラム)」と、内容はほぼ同様で、起業に向けて進めていくプログラムです。スタートアップ創業を目指す「Venture Lab」は厳しい選考がありますが、「Knowledge Incubator」は応募のハードルが低かったり、スモールビジネスやファミリービジネスをやる方、まだアイディアしかない人も対象になってきます。
こちらで、私自身のアイディアである「ビジネスの基本が学べるオンラインゲーム」を実践にて進めていきました。
PRICING STRATEGY
ビジネスゲームを進める中、私自身「Pricing」についてほとんど知らないなと感じています。またマーケティングの中で最も重要なのに、あまり理解されていない分野ではないでしょうか。Pricingの理論から実践、心理的な側面からも学ぶことができる授業です。
TECH PRODUCT MANAGEMENT
この授業は、Tech Productのプロダクトマネージャーに必要な知識を一通り学ぶという内容です。エンジニアと協力しながら、プロダクトを開発、ローンチ前後、拡大の各ステップでのポイントを学びます。Webサービスの開発は今後必要なスキルになると思い、また自分で学びにくい分野だと思うので選択しました。
おわりに
Electiveの授業は自分の興味やスキルに応じて選べるので、とても楽しい期間でした。
必修やLabなどの授業をまとめたページはこちら。