全世界の学校と同様に、IEビジネススクールは、Period1の最後(2020年3月)からオンライン授業が継続しています(11月現在は、教室とオンラインの両方で受講できるハイブリッド方式)。今回はオンライン化による影響を、メリットとデメリットの観点から紹介したいと思います。
この記事では、オンライン留学のメリットとデメリットをリアルに紹介していきます。キャンパスとオンラインの両方を経験した私が、両方の目線で解説していきます。
私は、IEビジネススクールのMBA留学中で、教室での授業〜ロックダウン〜日本からフルリモート〜現地で教室とオンラインのハイブリッド〜再び日本からフルリモートと、全ての選択肢を体験しました。
はじめに
誰もがそうですが、オンライン授業になるとは入学前は全く想定していませんでした。ロックダウンから一時帰国までの記録はこちらから。
オンライン授業の種類
IEの場合、オンラインMBAでは世界ランキングトップの常連なので、教授も学校もとても慣れていると感じます。具体的な内容をみていきましょう。
①ライブ授業
対面授業と同様に、決められた時間に授業を受けます(1コマ80分)。教授が資料を共有し、時にはiPadでホワイトボードのようにメモをしながら授業を進めます。ディスカッションは手を挙げて発言したり、チャットで発言したり、投票機能を使いながらインタラクティブに進めていきます。時差の関係から、授業は日本時間で夕方〜夜になるため受けやすいです。
②録画授業 or オンラインコースなど
ライブ授業は全て録画されており、あとで見返すことができます。時差の関係で授業に出れない人も、こちらを利用しています。また、Courseraなどのコースを視聴するよう指示があることもあります。
③フォーラム (ディスカッションボード)
オンライン掲示板でディスカッションをします。これは授業のディスカッションを代替するように設計されており、IEのオンラインMBAコースでは、こちらがメインだと聞いております。教授がお題を投げて、1つのテーマで1〜2個のコメント(500文字程度)をすることが求められます。授業と連動しており、1つの掲示板は1日〜数日オープンしているため、好きな時間に投稿できます。
実際の授業と同じで、前の人の発言を全て読んで、違う観点から発言する必要があります。教授が途中でファシリテートしたり、議論が煮詰まると違うテーマで新しい掲示板がオープンされます。最初の方が発言しやすいので、掲示板のオープン直後に投稿のピークが来ますし笑、締め切りギリギリでも投稿が集中するのは、実際の授業と似ていますね。
④オンライン課題
オンライン化に伴って、課題の量はとても増えました。クイズ、レポート、スライド、プレゼン(ビデオ撮影)など毎日のように、目まぐるしく課題をこなす必要があります。教室に行けば、「課題の締め切り今日まで?もう終わった?」みたいな会話で救われることが多々ありますが、オンラインだと特に気をつける必要があります。私たちのグループは、Trelloというタスク管理ソフトを使用して、皆んなで助け合っています。
授業
ライブ授業に焦点を当てて考えてみます。
メリット
- 誰もがマイクで話し、イヤホンで聞けるので、英語はとても聞き取りやすい。
- 画面を手元で見れますし、教授も画面に書き込みしてくるので、ホワイトボードやディスプレイよりも見やすい。
- チャットや投票機能では、気軽に授業に参加しやすい。
- 移動がないので、使える時間がとても増えた。
デメリット
- 画面なので集中できない、すぐ飽きる
- 発言の緊張感が減るし、ライブならではの発言の応酬は難しい
- 一緒にワイワイ勉強するという楽しみがなくなった
- 子供が家にいるとキツイ
グループワーク
メリット
- オンラインなので皆が効率よく進めようとする
- 時間や場所に縛られずに集まれる
- 成果を出すことに皆が集中できる
デメリット
- チームビルディングが難しい。ロックダウンの関係で、Period2は最初から最後までオンラインが決まっており、MBAの醍醐味であるグループワークの価値は半減です。
- ホワイトボードが使えない(個人的には超苦しい…)
勉強以外
イベント、ソーシャル、クラブ活動、海外生活などはどうでしょうか。
メリット
イベントやクラブ活動はオンラインで気軽に参加できます。私が所属するパブリックスピーキングクラブは、オンラインでスピーチをします。
デメリット
- 海外生活が楽しめない
- 同級生と食事をしたり、飲みにいけない
- たわいもない会話ができない
日本にいると、英語力は相当落ちます(泣)
オンライン留学で気をつけること
オンライン留学で感じた、個人とチームそれぞれで気をつけるべきことを紹介します。
個人編
- 決まったリズムで動くこと(スケジュール管理)
- 授業もミーティングも準備が全て
- 文字でのコミュニケーションはよりポジティブに
オンラインは自由だからこそスケジュール管理をしっかりし、規則正しい生活をしましょう。また予習や復習をきっちりこなし、ミーティングも事前準備が全てです。
チーム編
- 人間関係(リアルの交流の機会や気遣いを大切に)
- 時差ありの場合はコアタイムを決める
- 画面シェアで隣にいるように働く
- 情報はリアルタイムで全てシェアする
人間関係をベースに、テクノロジーを使いながら皆が快適に働けるルール作りをしていきましょう。
オンライン留学オススメツール
①AirPods Pro
おすすめ度★★★★★:授業、ミーティングなど全てにおいて役立ちます。自由に動けるのは相当ストレスフリーです。子供連れの身としては、ノイズキャンセリング機能があるプロがおすすめです。
②iPad
おすすめ度★★★★☆:ラップトップと併用。授業では画面が埋まるので、手元で資料を見たり書き込むために、もう一つ画面があると良いです。サブの位置づけであれば、安価なモデルで十分です。
おわりに
オンライン化に伴い、自由に使える時間が増えましたし、勉強面(知識のインプット)でもかなり効率がUPしました。とはいえ、海外生活を通じてできたであろう経験は、全く期待できません。
一方で、オンライン留学に向いている人はこんな人だろうな〜と思いました。
- 経営知識のインプットをしたい
- 働き続けたい
- 節約したい(オンラインの方が安いです)
- 文章力がある(文字でのコミュニケーション)
残念な部分もありますが、世界中のメンバーとフルリモートで働くいい経験ができました。オンライン授業、リモートワーク関連の記事を10本ほどまとめたページはこちら。