社費MBA留学を目指している方、社費か私費で迷っている方、以下のような悩みをお持ちではないでしょうか?
- 社内選考はどんな流れで進むの?
- 社内選考ってどうやって準備するの?
- 社内選考で合否を分けるポイントは?
欧州MBA留学ナビでは、おかげさまで多くの社費MBA志望の方からご相談を受ける機会がありますが、2022年にアドバイスした方の中から2人を選び、その方々がどのような準備をしたのか、どんなアドバイスをしたのか、社内選考の結果はどうだったのかを解説します(本人が特定できないように、内容は一部ぼかしています)。
Part1はこちらかどうぞ
1人目:1回目の挑戦で合格したマーケさん
アパレル系企業でマーケティングを10年ほどやっているマーケさんは、最初にお話しした時は整理ができていない状態でしたが、その後見違えるようにブラッシュアップして、1回目の社内選考で見事合格しました。そんなマーケさんの合格の秘訣を、私なりに紐解いていきます。
早く相談に来てくれた
もうこれに尽きます。マーケさんと私が話したのは、社内選考の数ヶ月前。これだけ時間があれば、英語スコアの達成、論文のブラッシュアップや面接対策をすることができます。実際、この期間で見違えるように良くなりました。
IELTSスコアもOverallで0.5アップ、論文も当初はWhy MBAとMBA後の会社への貢献が明確に見えるシャープな内容へ、面接も頻出質問はバッチリ押さえた状態で社内選考に臨むことができました。私だけでなく、複数のMBA経験者に相談をしており、本人の短時間での努力もあって無事に合格です。
仕事で成果を上げつつも、グローバルビジネスで壁を感じている
マーケさんは、元々国内の仕事を中心にやっており、しっかりと成果を上げられていました。パワフルで推進力のある方ではあるのですが、直近は海外の仕事がメインとなっており、文化や仕事の進め方の違いから少し壁にぶつかっているようでした。
本人はグローバルに活躍している同僚に対して引け目を感じている、と言っていましたが、私は逆にチャンスだと思いました。実力もやる気もある人が、次のステージに登るためにMBAに挑戦したい!と言っている。そんな社員を応援するのが社費MBA制度だからです。
私はその場でチャンスだと伝え、現在何を課題と感じているのか、それをMBAを通じてどう解決していきたいのか、そしてMBA後に会社にどう貢献できるのか、を具体的に考えるようにアドバイスしました。
英語のスコアを伸ばせ!
私があったときはIELTSが6.0で、あと一歩かなと思いました。本人は家族もいるのでなかなか遠慮しているようでしたが、とにかく社内選考に向けてスコア上げに全振りしてほしいと伝え、本人も意思を固めて頑張り、面接直前に6.5まで持っていくことができました。
社内選考が終わった後に、「ここからが本番だよ(IELTSとか、GMATとか、、、、)」と伝えると本人は苦笑いしていましたが、家族と相談しながら現在も頑張っているようです。
面接練習を頑張っていた
時々、面接練習をあまりせずに社内選考に臨む方もいらっしゃいますが、喋りの天才じゃない限り絶対に練習はすべきです。今回のマーケさんも、私を含めた複数のMBA経験者と模擬面接をしていました。私が面接練習をした45分だけでも見違えるように良くなったので、社費選考を受ける方はぜひ模擬面接をお願いしてみてください。
2人目:初回の挑戦は不合格だった研究者さん
ヘルスケア業界で働いている研究者さんは、大学で博士号を取得した後に就職をしたという、ユニークな経歴があります。研究者さんからは、社内選考前のギリギリのタイミンングで相談を受けました。
相談のタイミングが遅い!
先ほどのマーケさんもそれほど早くはありませんでしたが、数ヶ月あったのでまだ間に合うタイミング。今回の研究者さんは直前だったので、面接対策くらいしかサポートすることがありませんでした。社内選考は、仕事の成果、英語スコア、論文、面接と総合的に判断されるもので、全てを伸ばすためにはやはり時間がかかります。
社内選考を考えている方は、実際に応募するのが数年先であろうと、今すぐMBA経験者に相談することをオススメします。
Why MBA?とWhy Now?が弱かった
Why MBA?は皆さんきっちり押さえているのですが、意外と見落としがちなのがWhy Now?です。たくさんの応募があり、素晴らしいWhy MBA?が並んでいる中で、なぜ今年この人を選ぶ必要があるのか?ということはとても重要になってきます。
私も2回目で社内選考に合格したのですが、1回目不合格のフィードバックは、「なぜ今なのか不明瞭、もう1年間仕事で頑張ってほしい」でした。当時はムカッときましたが、今思うとその通りだなとしみじみ思います。
研究者さんの話に戻ると、異動になったばかり、仕事でグローバルビジネスの壁にぶつかっているわけでもなく、なかなかWhy MBA? Why Now?が見えづらい状況でした。もちろんできる限りのサポートはしましたが、時間も限られており私としても残念でした。
英語のスコアを未取得
もう一つハンデがあるとすれば、英語スコアが未取得だったことです。TOEICは高い点数を持っていましたが、MBA受験で求められるのはTOEFLやIELTSです。やはり選ぶ側としては、(受験期間が限られる中で)いい学校に合格してほしいので、高いスコアを既に持っている方をより評価するのは間違いありません。
不合格でも全く問題ない理由
研究者さんのように、社内選考に不合格になっても全く問題ありません。私がTwitterでとった社費MBAのアンケート結果からもわかりますが、2回目、3回目以降でも多くの方が合格されています(むしろ、1回目で合格する方は限られているようです)。
まとめ
今回は、MBA社費選考について、2人の候補者の例をもとに、合否を分けるポイントを紹介しました。まとめると、合格者には以下のような特徴があります。
- 仕事で成果を出している
- グローバルビジネス経験から、自身の課題を感じている
- Why MBA?に加えて、Why Now?が具体的
- IELTSやTOEFLで高いスコアを出している
- MBA経験者に早い段階から話を聞きながら、ブラッシュアップしている
社費MBAを検討している方、こうした内容を意識しながら準備をしていけば、合格に近づくと思います。今回の記事が、社費MBA留学を目指している方の参考になれば幸いです。
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