当サイトでは、欧州MBA留学を目指す方に向けて、受験から渡航準備、現地での留学生活や卒業後のキャリアまでの、リアルな情報を提供しています。
これから始まる新連載は、2023年にIEビジネススクールのInternational MBA(IMBA)に入学された、SaさんのMBA日記です。SaさんはTwitterで毎日欠かさず、留学中の出来事を投稿されており、当連載はツイートをまとめ直したものになります。
Saさん:2023年にスペイン・マドリードのIEビジネススクールに入学。食・音楽をこよなく愛する私費MBA生。Twitterにて、留学中の出来事を毎日投稿中。
マドリード到着と欧州旅行(Day1〜Day14)
Day1. マドリード到着(2022/12/20):あいにくの雨模様も、日本人の先輩方とカフェでお会いし、今後の生活についてのアドバイスを頂きました。首都ながら人通りはそこまで多くなく、気温や湿度も現在の東京とさほど変わりません。そのため、時差さえ治れば過ごしやすいと感じました。目についた点で言えば犬を連れた方が予想より多いことです。
Day2〜Day11 欧州旅行:1週間強の間、バルセロナ、パリ、ロンドンを巡りました。語学クラスが始まるまでの期間が、旅行できるチャンスで、過去の日本人留学生も色々なところを巡っていたようです。
Day12. マドリードに戻る:大晦日は街が大いににぎわいます。半年早く入学している先輩に会い、再びアドバイスをもらいました。アパートに移るまでの間、10泊ほど中心部のホステルに滞在する予定です。夜は同期の滞在するホームステイ先に呼ばれ、食事を振る舞ってもらいました。
Day13. 休息日:旅の疲れが出たため、昼食と散歩を除きホステルで休みました。元旦ゆえ人もまばら。日中は日差しもあり、15℃程と大変過ごしやすいです。散歩の最中、国立音楽堂を覗いてみるとUltimo minuteなる制度がある事を知る。30歳以下は開演前に並ぶと5€で入場可能とのことで、授業の合間にでも今後通うことにしたい。
Day14. 授業準備に費やした一日:夕方になり街へ繰り出すとまだまだクリスマスムード。1/6まではこの調子とのことで、年明け早々感覚が狂いそうになりました。街では、タパス屋でも地下鉄でも英語が通じないケースが多く、スペイン語のキャッチアップを急ぎたくなりました。1年間のおおよその計画を立てられたので良い一日でした。
語学クラスとPre Program(Day15〜Day21)
Day15-16. 語学クラス:インド、UAE、アメリカ、日本からメンバーが集いました。初心者向けの授業だが、4日間で16時間のインテンシブなクラスです。各々のバックグラウンドを共有したところ、他国勢は28歳あるいは29歳がほとんど、兵役を終えたメンバーやマーケ職、金融やITといった面々が集っています。国籍のみならず職能の面でも多様性を確保しようと学校側も工夫したと思われる。同級生の名簿を確認したところ100名ほどで、今から楽しみです。
Day17. 同級生との顔合わせ:大学事務室のスピーディかつ親切丁寧な対応に非常に好感がもてます。スタッフの方々のホスピタリティに感心します。夜には街の中心部で三博士のパレードがあり、多くの人で賑わっていました。また同級生と初めての顔合わせが出来たのも良く、中南米メンバーの勢いに圧倒された。IT/tech出身が多く、若干の偏りは否めない。
Day18. Pre program受講:Pre programはオンラインで受講するコースで、授業開講前までに予習すべき内容がまとめられており、それぞれ履修後にテストで進捗を確認されます。語学コースに来ている面々は全員が対応している一方で、他のメンバーについては未知数です。内容はファイナンスや統計からエクセルまで広く浅くといった感じで、まだ無理はない。
Day19. 同期らと快晴のバレンシアへ:Ouigo社の格安チケットでバレンシアへ。途中から同期の知人も合流し欧州就職についての情報交換を兼ねて交流を深めました。昼から夜まで飲み続け、近日中の再会を誓い解散。日帰り旅行にせよ、国外旅行にせよ、格安で移動が叶うのは大変にありがたいです。
Day20.街を散策:東京でよく見かけた草間彌生のポップアップをマドリードでも見つけることができました。ロンドンのTate Modernでもフロアを貸切り個展を開催していたこともあり、近年の欧州での評価の上昇を如実に感じました。
Day21. 語学クラスを修了:語学メンバーとランチ。その後ホステルを発ちアパートへ引っ越しました。かなり快適かつ立地が最高なアパートを見つけられて嬉しいです。友人が訪問してくれた際などにパーティでも開ければと思います。明日が入学式のため、身支度をして就寝しました。これから1年間しっかり頑張りたいと思う。
入学式とLaunch Period(Day22〜Day34)
Day22. 入学式:総勢約200名に上る同期らとの出会いを楽しみました。男女比は2:1、南米勢が43%。懸念点だったキャリアの偏りはデータを見る限りなく安心。Value=(skill+knowledge)×Attitudeとの助言を頂き、その上で”tough lover”であれ、と1年の過ごし方を教示される。同期と共に充実した時間を過ごしたいと思う。
Day23. Course Introduction/Team Building:クラス別に集まり、ビザ発給が間に合わないメンバーを各国から繋ぎ、inclusiveに親睦を深める機会が持てた。Career Forumの案内があり、コンサル志望メンバーに対し、当日午後のSep Intake向けの講義に招待され、学校の対応の柔軟さに一同喜んでいました。
Day24-25. Launch Period開始:クラスで盲学校へ趣き、Volunteer Activity(休憩所の設営)を実施。明日以降は別クラスへとバトンを繋ぎ4日間で完成の予定。英国の工務店を講師とし、初日の我々は材料準備から塗装/組立までを実施。45人の同期らが各々で役割を持ち、Social Goodを体現していた。疲労困憊だが一体感と笑みに溢れていました
翌日は、Volunteer Activityを振り返り『良いチームとは?またその逆とは?』を議論。その後のCase Method入門では課題に対しチーム別で対応。答え合わせの時間に各チームで出した結論を教授が全体に分かりやすく整理し直す。膨大なスライドを適宜駆使しつつ、伏線を回収する技量に感服しました。
Day26. Career Forum開催(土曜):Tech/Consumer/Social/Finance/ConsultingとAlumniのキャリアパスに沿った形で対策を教示。進路は起業から国連、MBBまで多様であった。OBOGを世界各地から繋ぐセッションから企業の招致、24h対応のWhat’s appホットラインに至るまで、学校のサポートが手厚く、大変心強い。
Day27. 課題に取り組んだ後、街を散策:ソフィア王妃芸術センターからレティーロ公園を散策。入学式からの6日間を振り返り、これからの1年間をどう過ごしたいのかを考える。合格から入学までの日が浅かったこともあり準備不足を感じた。キャッチアップを急ぎ、クラスに早く貢献したい。
Day28. フェルミ推定:お題が与えられ、グループごとにフェルミ推定に取り組む。7チーム回答は異なったものの、各々のプロセスのロジカルさが評価された。教授の回答の引出し方がとても丁寧で、ソフトスキルの面で見習う点が多い。夜は日本人の先輩方主催の歓送迎会へ。コミュニティに加われて心から嬉しい。
Day29. 多様性を実感:疎外感について語るストーリーテリングから始まり『マネージャーとして疎外感を感じる社員とどう向き合うか』へと問いを進めた。メンバーによって感じる疎外感の質の違いもユニークで、多様性を実感。専門外の領域をメンバー間のフィードバックを得ながら進める、MBAならではの醍醐味を味わう。
Day30. プレゼンテーションのワークショップ:講義の後に1人ずつ発表。入場の仕方、フック、表情付け、間の置き方、声量、アイコンタクトなど、多くの観点からフィードバックをもらう。指摘→改善→賞賛のサイクルが生まれ、クラスの雰囲気も良かった。学生のモチベーション維持の為の講師の手腕も素晴らしかった。
Day31. Who moved my idea?と題した起業論:過去/現在/未来と自身のキャリア軸を分け、最もpassionateかつ課題意識を感じた点を主題に、各自の起業アイデアを出し合った。発明とは、連綿と続いてきた『繋げる』作業の一端だと学んだ。夜には23年1月入学者向けのWelcome cocktailがあり、深夜まで大盛況に。
Day32. Launch Period最終日:VUCAについて新型コロナからchat GPTまでを引き合いに出し議論。game changerの登場を各々がどう読み解いているかを興味深く聞けた。最後にはWell beingについても授業があり、メンタルに不調をきたした際の対処法について講義。サポートに感謝しつつも、情報量が多い為整理が必要だと感じた。
Day33. セゴビアへクラス旅行:ローマ時代の水道橋から大聖堂、城郭を巡り、名物の子豚の丸焼きに舌鼓を打つ。半日の旅行ながら良い息抜きになった。ロジや予約等、授業外でも各々が得意の分野で周りに貢献しようとする姿勢が見えた。来週から本番、頼もしいクラスメートと共に支え合っていきたい。
Day34. Term1開始前日:本講義の事前課題に取り組む。どの科目も予習テキストが大量にあり、捌くだけで手一杯の状況。日によるものの、明日は9時から15時までほぼ休憩なしで授業のため不安が残る。同級生同士、得意分野をレクチャーし合う案が既に出ており、Supportiveな雰囲気に感謝。
おわりに
今回の記事は、IEビジネススクール MBA留学記の第1弾として、マドリード到着からTerm1が始まるまでの1ヶ月間を振り返って頂きました。
次回の記事は、Term1授業編です。お楽しみに!