MBA選択授業:Elective科目紹介(IEビジネススクール)

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2020年1月からスタートした私の一年制MBAプログラムは、Period1Period2Lab Period(私はTech Lab)を経て、9月からElective Periodに入りました。今回の記事では、私が取った授業の内容と成績を紹介したいと思います。このコロナ禍はありますが、IEビジネススクールは、教室とオンラインでも受けられるハイブリッド形式の授業を続けています。

HAYA
HAYA

この記事のライター(HAYA):2020年1月にIEビジネススクールに入学。Lab PeriodではTech Labを選択。Venture Dayでファイナリストに残り、日本人過去最高の3位を獲得。

Elective科目紹介

膨大にあるプログラムの中から、自分の興味がある分野を選ぶことになります。Electiveの成績は非常に良く、上位10%に入るレベルでした!

Financial Modeling <Honors>

20単位と重めの授業。主にファイナンス志望の人が取るものと思われますが、私も興味があったので取りました。教授はゴールドマンサックスやメリルリンチ証券にも努めていた凄腕。授業は、自分で財務諸表やM&A・LBOのモデルの作るというもので、ひたすらエクセル作業。先生のエクセル作業は非常に早くて、授業中は先生の作り上げていくエクセルに必死に食らいつくという感じでした。

クラスメイトは、先生の進め方が早すぎるとか難しいとか不満をもらす人もいましたが、私としてはきつかったですが、エクセル作業が嫌いでもなかったので非常に有意義でした。大変ではありましたが、モデルを自分で作り上げてることで、ファイナンスの世界をより深く知ることができたので、面白かったです。

最後のテストもオンラインでしたが、ZOOMで自分の作業しているスクリーンを録画して、マイクもオンにしなければならず、テストのエクセルもマクロか何かで他のファイルを開くて検知するらしく、オンラインのテストながら、不正ができない仕組みになっていました。お陰でちゃんと勉強しなければならず(当たり前ですが)、その教授のフェアさに私は非常に好感が持てました。

Effective Communication <Honors>

効果的なプレゼンテーションをする方法を学ぶ授業です。先生は元々、広告業界に勤めていたらしく、今はPublic Speakingの指導を主にしています。そもそも、授業の内容自体が、プレゼンで聴衆を引き付けるためにはどうしたらいいか?というものなので、教授がそれを意識してレクチャーしてくれたので、あまり飽きませんでした(先生自体が聴衆を引き付けるTipsを入れ込みながら授業してくれる)。

学生は、毎週授業で1分間スピーチを教室で披露し、ビデオをとられてReviewするというものでした。英語の苦手な私はとても苦労しましたが、それを練習するのもMBAに来た一つの目的だったので、大変でしたが、その機会を頂いて有難かったです。最終プレゼンは3分間、スライドも使わずどうやって聴衆を引き付けるかを意識しながら好きな内容をプレゼンするというものでしたが、私は自分なりの個人的なストーリーを話して、みんなに楽しんでもらえたようなので良かったです。

プレゼンだけでなく、中間レポートはDifficult Conversationをどうやって成功させるかみたいなもので、これはビジネスだけでなく家族などプライベートでも意識しなければならないTipsが盛り込まれており、個人的には非常に役に立ちました。

Country Economic Analysis <Excellence>

世界でKeyとなる国の経済を毎回取り上げて、議論するという授業です。取り上げた国は、アメリカ、EU(Brexitとスペイン含む)、日本、中国、インド、ブラジル、ロシア、トルコ、ノルウェーなど。2人の経済学者が毎回交代で授業してくれましたが、どちらも人気の講師で、授業がとても面白かったです。

また、これはInternational MBAの醍醐味でしょうが、それぞれの回で、その国出身の人がいて発言してくれるので、非常にその国が身近に感じました。一人の先生の方は、毎回授業の後にオンラインクイズがありましたが、そのおかげで復習もきちんとさせられて、怠け者の私は非常に良かったです笑。

グループ課題は、産油国のノルウェーが、どうやって経済の「オランダ病」を回避してたのか、そして今後どういう政策をとるべきなのか、というものでした。最後の個人レポートは、新興国の市場開拓する場合に、現地に工場を建てローカル生産すべきかそれとも輸出すべきかをどういう経済指標を使って判断すべきか、というもので、これも製造業出身の私としては身近に感じました。

いずれにせよ、経済学という授業は、自分が日本人であるということを非常に意識させられて、その強みと弱みを感じる上に、他の国の経済・政治動向が世界で相互に影響するこの時代ですので、他の国により興味を持つようになった授業でした。

Global Leadership: Leveraging Diversity <Excellence>

初めの1回目以外は先生の都合で全てオンライン授業になってしまいました。これぞソフトスキルといったもので、好き嫌いが非常に分かれる授業だったと思います。多様性の中でどうやってリーダーシップを発揮していくか、というのがメインテーマですが、内容は、マインドフルネス、フロー(心理学)、High Context vs low context culture、アクティブリスニング、フィードバックの仕方、コーチングなど多岐に渡りました。

※授業で紹介された参考書籍

中間テストも兼ねて、3分間のオンラインプレゼン課題がありましたが、それ以外は毎回、ZoomのBreakout roomの機能を使って、少人数での議論をしました。80分の授業の中で、その回のコンセプトの説明があり、その後グループ議論し、それを振り返るというので、時間が足りず、深く学ぶにはやや無理があったかなとは思いますが、どう捉えるかは自分の学び方次第なのかなと思います。

毎回授業の振り返りとして、簡単なJournalを書く必要があり、最後は自分の興味は何か、どういう時に幸せを感じるか、どういうフィールドで活かしていきたいか、みたいなキャリアを考えるセッションもありました。こういうパーソナルな話を話したりすると、なぜかその人とは距離が近づいた感じがしました。

人格を問われるような授業だったので、終始クラスメイトとは、良い雰囲気が流れていたと思います。多様性ってそれぞれ考え方が違うので、リアルではその中で生きるのは本当に大変、でもそのチャレンジを楽しめるように、とポジティブに考えることができた授業でした。

Excel for Business Solution <Honors>

エクセルの小技を毎回あるケースに沿って、先生と一緒に作業して学んでいくという授業です。先生はジョークが好きなちょっと変わった人でした。

生徒は結構エクセル初心者が多かったのか、私からしたら、7割は知っている内容でエレクティブの中で、一番簡単でした。そもそも一つくらい簡単なのも取っていいのかなと思ったのと、それでも「これは知らなかった!」という便利な機能や新たな発見があったのでちょうど良かったです。エクセルテクニックで言うと、上述のFinancial Modelingの授業の方が圧倒的に素早さを求められました笑。

最後のテストも私からしたら簡単でしたが、手こづっていた人もいた模様です。あとこういう授業はMacユーザーとWindowsユーザーが生徒にいるので、Macユーザーはちょっと使い勝手が違ったりして、授業もそう簡単に進みません。

グループ課題もありましたが、好きなテーマで良いということなので、私のグループは私からマイクロソフトの3年間の販売・財務見通しはどうかと提案し、ちゃっちゃと作ってグループに共有したらそれをめっちゃ感謝されて終了。

会社に勤めて、元々PPTよりエクセルが苦手だと思っていら過去から比べると、本当に自分はエクセルが得意な方なんだと実感した瞬間でした笑。

Global Network Week 

執筆中です。

Maximize Your Negotiation Power and Success <Proficiency>

教授二人で行われた交渉術の授業です。授業がいつも夜7時~10時と遅くて、やる気がなくなってくる時間帯ではあるものの、事前準備はほぼ必要ないので比較的楽な方でした。

毎回いろんなタイプの交渉(1対1、1対多数、多数対多数など)を練習するもので、授業のはじめに自分の役割が与えられ、その役割の交渉の目的が書かれている簡単なケースを読み(交渉相手はもちろん違う役割で違う目的)、それぞれが読み終わると交渉相手と別室にいっていざ交渉開始。国によって交渉スタイルが違うのが非常に面白かったです。

とりあえず私はすぐに妥協してしまうし、相手に対して大袈裟な要求や強く言うのが非常に苦手であることを痛感。。例えばアルゼンチンの女の子で、私からしたら全然妥協すれば良いのにというところでも”Non negotiable!”と強く言うのでびっくり。。概してみんな「ハッタリ」「ふっかける」ことに何の抵抗もなく、パーソナリティの違いを感じさせられました。。

交渉の前後で、ZOPA(Zone of possible agreement)BATONA(Best alternative to a negotiated agreement)などの理論を学び、最後の授業は、簡単なケースを読んで自分ならどうするかといった筆記試験もありました。海外の人との交渉は本当に面白い経験でしたが、何よりグローバルな交渉で、今後騙されないように気を付けようと思いました。。

Unique Business Models, Unique Companies <Honors>

Period2のEntrepreneurial Venturingの授業の先生で、その時の内容が面白かったので取ってみようと思いました。毎回事前に、ケースを読み自分の意見を事前にForum(掲示板のようなもの)に投稿しないといけないので負担は大きめですが、MBAの前半と違ってケースを読むのもかなり慣れたという実感もわきました。

扱うケースは、AirbnbとUberが有名どころで、それ以外はZinga, Warby Parker, Birchbox、Mary Kayと失敗したPets.comなどで、ユニークな企業が成功(または失敗)するまでの軌跡をたどるケースで面白かったです。またMBA生が立ち上げたケースがいくつかあったのも身近に感じました。

先生はカナダ人、クラスメイトもネイティブが多くて、議論のスピードがとても速く、ここにきてアメリカのMBAだとこんな感じか、、と思いました。そんな中でも発言もすることができて、自分も変わったなとしみじみ。。

グループ課題はユニークだと思われる企業を好きに選んでプレゼンするもので、また個人課題は自分の知っている業界や企業を取り上げて、どうイノベーションを起こすべきかのレポートなど、結構盛りだくさんではあったものの、みんなそつなくこなして、とにかく当初MBAに来た時からの慣れと成長を感じた授業でした。

おわりに

授業自体の負担は、今までの期間に比べると少ないです。その分、みんな就活をしたり、また私はVenture Projectというのがあったりと、他のやる事の負担が増えます。

HAYA
HAYA

私の学校IEの目玉であるVenture ProjectIEについては、次の記事で紹介します。

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