当サイトでは、欧州MBA留学を目指す方に向けて、受験から渡航準備、現地での留学生活や卒業後のキャリアまでの、リアルな情報を提供しています。
当連載は、スペインIEビジネススクールの、Global Online MBA(GMBA)を卒業された、Yuiさんの体験記です。2019年頭に男の子を出産、そして同年6月にMBA合格、同年10月からMBAを開始された、Yuiさんの波乱万丈のストーリーです。
Yuiさん:ケニア生まれ、コートジボワール育ち。慶應義塾大学卒業後、サイバーエージェントに就職。6年目にウォルトディズニージャパンカンパニーに転職後、2018年に結婚、2019年に出産。2019年10月からIEビジネススクールのGlobal MBA開始。2021年3月に卒業し、現在は外資系IT企業にて勤務。
IEビジネススクール(特にGlobal Online MBA)に関して、色々なことを質問されるのですが、そんな質問に対して一気に回答していきたいと思います。
Q&Aコーナー
◇性別の違いや国籍の違いで何か問題を感じることは?
性別に関しては全くないです。むしろ女性の方が強い笑。国籍の違いについてもないです。
◇土日は休めますか?
土日は家族との貴重な時間なのでなるべく休んでいますが、読み物や課題が多いので勉強しない日はほとんどありません(冬休み、夏休み等はあります)。1.5年だけなので我慢です。
◇プログラムの人数はどれくらいの規模ですか?人数は毎年変動しますか?
おそらく毎年変動します(国籍や性別を調整している)。アプリケーションに通った人から確定していき、定員になったら締め切るイメージです。
◇サステナビリティに興味があります。そのようなクラスはありますか?
サステナビリティ、と言うクラスは私のintakeではなかったですが、色々な授業でサステナに触れるので、かなり勉強になりました。
◇WOWRoomは、実際のクラスと変わらないですか?また、実際のクラス以上に優れたところがありますか?体験談を教えてください。
もちろん机を並べるわけじゃないので、私的には全く違うものです。ただ、みんなの顔が全部見れるので実際のクラスよりみんなの表情が見れて私は結構好きです。
あ、髪切ったな!旅行中かな?元気なさそうだな、あれ、子供が出てきた!ハロウィンパーティー抜けてきたな笑、というように、普段の授業では体験できないクラスメイトの生活の一部が垣間見える感じがして、なかなか面白ですよ。あとは、先生の提示する資料がとても見やすいです。
悪いところを言うと、ネットのコネクションが確実にあるところに毎週土曜日夜いないといけないので、それはなかなか大変です。授業は基本的に出ないといけないですし、日本時間19:00〜22:30(サマータイム時は18:00-21:30)は夜ご飯の時間なので、たまにこっそり食べたりしてます笑。
◇フルタイムのIMBAと比べて、GMBAの課題等があれば教えて下さい。
ここも学びの一つなのですが、みんなそれぞれ仕事・家族・普段の生活を過ごしながら授業を受けているので、コミュニケーションをとるのが大変です。チームでMTGをするのにも国がバラバラなので調整が大変。時差をこんなにも憎んだことはないです笑。
タイ、サウジアラビア、オーストリア、オランダに住んでいる人とチームだった時は、みんなが揃う時間が少なすぎて、MTGの時間が平日の日中になったり夜中になったりします。みんなすごくプロフェッショナルだしコミットするので、そこは問題ないのですが、本当にみんなに会いたいです。離れていても、素晴らしい仲間になれることをこのプログラムで知ることができました。
◇入学前には気付かなかった良かった点、悪かった点等はありますか?
日本人の強みは?
この質問は、MBA受験生とかにすごく聞かれることで、私も始めるまで自分はチームに何が貢献できるんだろう?とか、日本人として貢献できるポイントってないかなとか思っていたのですが、思うことがあったので筆を取りました。
私は、基本的にこれまでのキャリアが、法律+アカウンティング+経営管理をかじるくらいだったので、MBAの授業で明らかに役立つものがあるか少し不安でした。
でも、蓋を開けて見るとそんなことよりも大切なことがたくさんあって、ちょうど今日チームメイトとコールをしていても言われました。
コーポレートファイナンスでは、チームにいる銀行で勤めている子がかなり大活躍して、チームメンバーに率先して色々教えてくれました。チームコールが授業のよう・・・。
そこで私が、彼に感謝の言葉を述べたときに、(本当に分からなくてごめんね、そして教えてくれてありがとう的な)彼が言った言葉は、「それぞれの強みが違って、僕はファイナンスが強いだけだから。君はこういったところですごく貢献度が高いし、あの子はこういったところが良いし・・・僕に聞いたり努力している時点で僕は君を素晴らしいと思う。それがいいチームだよね。」
といった形で、素敵なフィードバックをくれました。国籍とかバックグラウンドとかは関係なく、それぞれが一生懸命チームに何かしらの形で貢献することで、相互にモチベーションを上げあえるチームは本当に素敵なチーム。
日本人だからとかそういうことを思われたことは全くなく、私はどういう人間なのか(同じクラスのもう一人の日本人の子とは、全く違うと思われている)。いい意味で、出身国はパーソナリティにはならないと思います。
皆様のMBA受験生活、MBA生活が豊かなものになりますように。
連載を終えて
長い連載にお付き合いいただきありがとうございました。私にとってのオンラインMBAの1.5年は、とても辛かったですが、それ以上に楽しく、学びのある期間でした。もう一回やれる自信はないですが、始める前の自分に戻れたとしても、再度チャレンジすると思います。母となり今後のキャリアに悩んでいた自分の迷いを払拭してくれたのもこの経験があったからだと思います。
MBA生活は人生に一度しかできない、と言われハッとしたことがあります。高校を卒業し日本の大学に行くのとは違い、自ら選んで社会人が学生に戻るのでそれなりの覚悟が必要ですが、人生に一度くらいはこんな経験をしてもいいかもしれません。
かなり赤裸々な体験談なので恥ずかしくもあるのですが、今後同じようにMBAに挑戦したいと考えられている方の参考になればと思います。