この記事を読んでいただいている方は、次のような悩みをお持ちではないしょうか。
- MBAを検討しているが、不安である
- 挑戦したいが一歩踏み出せない
- 周囲の目や評価が気になって、自分に自信が持てない
この記事を読めば、コンフォートゾーンに留まってしまう本能のメカニズムを知ることができ、MBA流の「コンフォートゾーンの脱し方」、「自分に自信を持つ方法」、「挑戦するためのマインドセット」を得ることができます。
私は30代でMBA挑戦、初めての海外在住、Edtech事業の立ち上げといったチャレンジをすることができました。
そんな私が、実体験を交えながら、MBA流のコンフォートゾーンの脱し方を解説していきます。
コンフォートゾーンとは?
コンフォートゾーンとは、「居心地のいい場所」という意味です。そして、居心地のいい場所に居続けると人間は成長しません。ところが、人間は身を守るために「ホメオスタシス」という、外部の環境が変化しても、体を一定の状態に保とうとする、生物の体の仕組みを持っています。
そしてホメオスタシスは、脳にも作用します。人は無意識のうちに、「居心地がいい」と認識している状態、つまりコンフォートゾーンを維持しようとします。たとえ良い方向への脱出であっても、そこから自分がはみ出すこと、はみ出すような行動をとることに対し、無意識に抵抗してしまうのです。
コンフォートゾーンに留まるのが人間の本能だとしたら、どうやったら脱出できるの?
コンフォートゾーンに留まってしまうメカニズムを解明し、それをうまく利用してやりましょう。参考書籍を引用しながら、紹介していきます(以下、本書と表現します)。
感情という限界
MBAというダイバーシティな環境では、感情にとらわれる確率が高くなります。英語という言語でうまく伝えられないもどかしさ、全員国籍が違うチームでのグループワークなど、モヤモヤやイライラといった感情を持つと思います。
しかし、本書によれば「感情にひたるな」、「ゴールと関係ない感情はゴミ」、「ゴールに意味のある感情のみ許せ」という内容が紹介されています。
これは本当にそう思います。小さい話で恐縮ですが、「クラスで発言する」、「何かの集まりに参加する」といったことでさえ、感情が邪魔をする時があります。こんな時は、「英語を身につける」、「ダイバーシティな環境でコミュニケーションを学ぶ」といったゴールがあれば、自分自身を一つ上の階層に持っていくことができ(本書では「抽象化」と表現)、こうしたネガティブな感情にとらわれなくなります。
他人の目や評価という限界
他人の目や評価が気になって一歩踏み出せない、という経験は誰しも少なからずあると思います。特に日本で生まれ育った人であればなおさら感じるでしょう。これも本書では「他人のモノサシというゴミ」と表現されています。
これはMBAの授業で学んだ、2つのキーワードがポイントになると思います。
フィードバック=ギフト
MBAでは「多様なバックグラウンドを持つ同級生からで学ぶ」というのがとても重要です。固定グループで、朝9時から毎日グループワークするのですが、このメンバーで徹底的にフィードバックをすると同時に、自分自身についての理解も深めていきます。
こうして書くと、他人の目や評価が気になってしまう!と思うかもしれませんが、あまりにもダイバーシティな環境にいると、いい意味で「他人は他人、自分は自分」という開き直りができるようになります。
先ほどの「ゴールと関係ない感情はゴミ」という話がありましたが、「他人のモノサシを捨て、自分が心から望むもの(=ゴール)」に目が向けば、自然と他人がいい意味で気にならなくなると思います。
グロースマインドセット
MBAの授業でも何度も取り上げられた、「Grit(やりぬく力)」の動画でも紹介されている、グロースマインドセット。これも他人の目や評価という限界から抜け出すための考え方です。
この動画をざっくりまとめると、やりぬく人が成功に近づく!という内容です。
グロースマインドセットとは、「自分の才能や能力は、経験や努力によって向上できる」という考え方のことで、失敗はある時点の結果にしか過ぎないと考えます。フィードバックも、「ある時点の結果に対する評価」、「向上するための材料」くらいで、「自分自身の感情」と切り離して考えることがポイントです。
過去の自分や自己イメージという限界
ホメオスタシスの構造上、過去にとらわれてしまうのが人間です。本書では、「未来が過去をつくる」、「未来が最高なら、過去も現在も最高」という、フィードバックの向きを逆にすることを提唱しています。
「勝てば官軍」、「勝ったものが強い」と言いますが、「現在の失敗」も、将来成功すれば「その失敗は成功の要因」として説明できます。なので、「未来の成功イメージ」、「(今できないことが)できるようになった自分のイメージ」を明確にもてば、「感情」、「他人の評価」、「自信が持てない」という限界を突破することができます。
恐怖という限界
コンフォートゾーンを脱出するためのコツを紹介してきましたが、最後に「恐怖」について説明したいと思います。恐怖は、チャレンジやパフォーマンスに悪影響を及ぼしますよね。本書ではここでも、「現代人に恐怖は不要」と明言しています。
恐怖はもともと、「生存するための本能」として生き物に備わっているものです。現代では「生死を脅かされる経験」は基本的にはないため、「恐怖」はあまり必要ではないですね。
現代の人間が感じる恐怖は、実は恐怖でないのかもしれませんね。この際のコツは、怖がっている暇があれば行動する。怖がっていないで、恐怖の原因を消す行動をする。結果を淡々と待つ。怒られたらその場で対応する、こうしたマインドセットが重要だと思います。
MBAでは、躊躇したり悩んでしまう場面がたくさんあります。こういう時のコツは、「決めてから考える」、「立候補してから悩む」といった逆転の発想です。
私もElective科目のグループでリーダーに立候補を先にしてしまい、今は途方に暮れていますが笑、リーダー経験を多く積むというゴールがあり、恐怖は全く感じません。
MBAの意義
今回は、MBAで学んだ「コンフォートゾーンの脱し方」、「自分に自信を持つ方法」、「挑戦するためのマインドセット」を紹介してきました。
「ゴールに関係ない感情は捨てて」、「他人の目や評価から自分のゴールややりたいことに焦点をずらし」、「未来から過去を考え」、「決めてから考える」という内容でした。
MBAで大きく2つのことを私は身につけたと思います。
全体と部分の両方から考える。MBAはビジネス全体を網羅する内容ですが、全体(必修)から部分(Elective)に向かって学んでいきます。コンフォートゾーンを脱するためのコツは抽象化・客観視でしたが、MBAの勉強自体が、抽象化の良い訓練です。
自分は自分。あまりにもダイバーシティな環境で過ごしていると、他人のモノサシではなく自分の信念や価値観で考えるようになります。これもコンフォートゾーンを抜け出すきっかけです。
MBAは、大前研一さんがおっしゃる「時間の使い方、住む場所、付き合う人々」を一気に変えてしまいます。挑戦したいけど踏み出せない、コンフォートゾーンから出られないという方は、「MBAに来てから考える、来てから悩む」というのも、一つの選択肢だと思います。
留学のダイバーシティ経験談はこちらから