MBA留学を考えている、欧州やアジアなど英語圏以外のMBAを考えている、英語以外の言語を学びたいと考えているあなた、このような悩みをお持ちではありませんか?
- 第二外国語を学ぶメリットを知りたい!
- 英語圏以外のMBA留学で、その国の言語はどこまで学べるのか?
- 最低限のレベル(初級)に達するにはどれくらい時間がかかる?
私は、スペインMBA留学を通じて第二言語を学び、初級レベルのDELE A2を取得しました。A2は下から2番目の初級レベルで、英検でいうと準二級(高校中級程度)にあたり、簡潔なスペイン語を色々な時制で読んだり書いたり、聞いたり話したりできるレベルです。
実は、外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)というものがあり、言語の枠や国境を越えて、外国語の運用能力を同一の基準で測ることができます(現在は日本語を含む40カ言語が対象)。つまり、スペイン語のA2と他の言語のA2は、同じレベルということになります。
レベル | 英検 | IELTS | TOEFL | TOEIC | |
C2 | ネイティブ同等 | 翻訳・通訳レベル | 8.5-9.0 | 115-120 | 945-990 |
C1 | 上級者 | 1級(大学上級) | 7.0-8.0 | 95-114 | 945-990 |
B2 | 準上級者 | 準1級(大学中級) | 5.5-6.5 | 72-94 | 785-944 |
B1 | 中級者 | 2級(高校卒業) | 4.0-5.0 | 42-71 | 550-784 |
A2 | 初級者 | 準2級(高校中級) | – | – | 225-549 |
A1 | 初学者 | 5-3級(中学) | – | – | 120-224 |
またA2レベルは定性的には、次のように定義されます。
ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。
British Council Webサイトより
今回の記事はスペイン語を例にしますが、フランスやドイツ、あるいは中国でMBAを取得したいという方も、スペイン語をご自分の言語で置き換えて考えていたければ、A2レベルまで伸ばすためのルートを知ることができます。
A2レベルまでの実体験を紹介しながら、英語圏以外のMBAを検討されている方の参考になる情報を紹介します!!
第二外国語を学ぶメリットは?
私がスペイン語を学んでよかったことは、今まで知らなかった世界に出会えたことです。5億人もの巨大コミュニティにアクセスできるようになったことで、入ってくる情報や視野が段違いに増えました。
また、英語以外の外国語を話せる人は少ないので、希少価値が生まれると思います。例えばマーケティング×中国語とか、デザイン×フランス語とか、英語と比べて需要は小さいかもしれませんが、競合が少ないため尖った人材になれる可能性がありますね。
さらには、第二外国語を学ぶことで英語力もアップするのは間違いないです。例えば単語は似ているものが多いですし、英語では理解できなかったニュアンスや表現などを第二外国語を通じて理解できたりする場面も多いです。私は英語でスペイン語を学ぶようにしたので一石二鳥でした。
単純に異なる文化に出会うことは楽しい!というのが一番ですね。
A2レベルまでの勉強時間と方法まとめ
私がスペイン語のA2レベルまでに費やした時間は、600時間です(他の外国語も同じくらいだと考えていただければ幸いです)。私はスペインMBA留学を挟んでいるのでダラダラやりましたが、1日3時間を使えるなら半年で無理なく達成できると思います。
帰国後にどのレベルの試験を受けようか迷いましたが、一番下のA1は入門すぎる、B2はスペイン企業で働けるレベルで高すぎるいうことで、B1を想定してまずはA2を受けることにしました。
勉強内容
留学前に最低限の文法と単語、留学中はスペインに生活する中で自然と身につけていく、帰国後に試験対策という大きな流れになっています。
1. 留学前の50時間(文法と基礎単語)
最低限の文法と基礎単語を学ぼうということで、1ヶ月集中して文法と単語を学びました。詳しくはこちらをどうぞ。
2. 留学中の400時間
MBAコースが始まる前に、学校のプレコースの一環で3週間のスペイン語コースを受けました。
3週間かけてアルファベットの読み方から、基礎的な文法は全て網羅するというイメージです。少人数で会話中心、ワイワイ楽しく進みます。スペイン語は大半が初心者なのでついていけるのですが、授業やディスカッションは英語で進むため(みんなネイティブレベル)、とても苦労しました。パートナーも参加できるので、私は妻と一緒に授業を受けていました。
IEビジネススクール 事前プログラム紹介
渡航直後に一番困るのが、VISA関係や役所登録になります。学校が全てサポートしてくれるのですが、実際に窓口に行ったらALLスペイン語。一番スペイン語が要求されるタイミングが渡航直後ということで、苦労する方は多いです(でもなんとかなります)。
スペインで約1年を過ごしたわけですが、学校はもちろん友達もみんな英語を話すので、英語漬けの毎日です。一方で街中は当然スペイン語、例えばスーパーでは食品の名前は自然とスペイン語で覚えますし、私はマンションの管理人さんや、行きつけのCafeの店員さんと毎日スペイン語でおしゃべりをしていました(スペインの方は本当にフレンドリーでおしゃべりが大好きです笑)。
最初の授業が50時間、あとは1年間1日1時間スペイン語に触れるとして350時間、合わせて400時間です。
3. 帰国後の150時間(実践で学びつつ、直前に試験対策)
せっかくスペイン語を学び始めたし、スペインに住んだのだから、何か証明できるものを持ちたいということで、DELEを受験することにしました。仕事をしながらだったので、1日1時間程度、5ヶ月で合計150時間でした。実際にやったことは以下の6つです。
①スマホアプリで単語を覚える
(SpanishDictがおすすめ!英西辞書が無料で使えて、自作の単語帳が作れます。)
②過去問(スピーキング以外)
6回分を2周しました。英語力がある方は、単語が分かれば第二外国語(特に欧州系)はある程度推測しながら読めると思います。私もリーディングは常に高得点を出せていました。
③オンライン授業(ライティングとスピーキング)
週に1回、ペースメーカーにしており、過去問でできないライティングの添削とスピーキング対策をお願いしていました。
④日記(ライティング)
ほぼ毎日LINEで日記を書いていました。授業の先生が添削してくれるので、修正したものをスペイン語勉強用Twitterで呟いていました。たまにネイティブの方からコメントや返信がもらえるので、とても励みになります。
⑤ PodCastやYouTube(リスニング)
Easy○○シリーズがおすすめですEasy Spanish、Easy Frensh、Easy Italian、Easy Germanなど、全部で11言語のチャンネルがあり、楽しく第二外国語を学ぶことができます。街中で人々にインタビューしながら進んでいくので、実際に使われる表現を学ぶことができます。英語も使われるので、英語も一緒に学ぶことができます。
⑥まいにちスペイン語(リーディングとリスニング)
NHKのラジオ講座シリーズは、色々な言語に対応していますね(まいにちフランス語、まいにちイタリア語、まいにちドイツ語など)。テキストは500円ちょっと、音声はアプリで無料で聴けますので、気軽に学びたい人にぴったりです。1日15分のペースメーカーにぴったりです。
もっと気軽に楽しみたい方は、同じくNHKのテレビ番組、旅するための○○語シリーズもおすすめです(旅するためのフランス語、旅するためのイタリア語、旅するためのドイツ語もあります)。
英語と第二外国語(スペ語)の学びの違い
今回大人になってスペイン語を学び始めたのですが、中学校で始めた英語とは全く違うやり方でチャレンジしてみました。
私は日本生まれ日本育ちなので、始めて英語に接したのは学校の授業で、英語は教室や机で学ぶものでした。最初に学ぶであろうHow are you?を最初に生で聞いたのは、大学の時に旅行で行った時で、実際に使われているんだ!笑、と気づいたくらいです。
また、英語は試験のために勉強するもの、そして当然ですがインプットをするのが勉強でした。もちろん今は仕事のためのツールとして考えているので違いますが、完璧な英語を話さないといけない、間違えると恥ずかしいという気持ちがどこかに残っています。これは、学生時代の英語学習の影響を受けていると思います。
逆にスペイン語、学習を始めたきっかけはスペインに住むからでした。文法は最低限勉強しましたが、最初からコミュニケーションが目的で学びました。スペインに行ってから1年間はまさに実践で身につけまして、とにかくアウトプット。現地の方とたくさん話をしたり、スーパーでも読めないと何かわからないので、野菜の名前や肉の名前を一つ一つ覚えたりしました。
スペインに行って、スペイン語があまり話せない状態からスタートして、コミュニケーションをとっているので、間違いは全然恥ずかしくありません。スペイン語は発音がとても日本語に近く、大体通じるというのも自信を持てた理由です。
まとめ:DELE A2までの勉強を通じて得たもの
私はスペインMBAをきっかけにスペイン語を学びましたが、3つのことを得たと思います。
スペイン語をゼロから始めて、A2レベルまでの流れを紹介しましたが、他の言語にも参考になると思います!