今回の独学MBAカリキュラムのテーマは「組織デザイン」です。こんな悩みありませんか?
- 最強の組織について知りたい
- どうやって組織を変革すればいい?
- 組織を大きく変える際の注意点は?
今回は、MBA留学で組織論について学び、年間100冊のインプットをする私が、最強の組織を作る方法をまとめました
今回参考にした本はこちら。マッキンゼー元パートナーの方が著者です。
はじめに
組織変革の前提となる考え方をみていきましょう。
ハードとソフト
組織とは「箱」というハードウェアだけではなく、システムというソフトウエアが伴っており、そのシステムはデザインが重要という考え方である。
組織ー「動ける組織」のデザイン25のポイント
つまり、組織変革と言ってもただ組織をいじるだけでは何も変わらないということです。何を気をつけるべきなのでしょうか。
組織変革の目的
組織を変えること=人の行動を変えるということを、頭に叩き込みましょう。大事なのでもう一度。組織変革の目的は、人の行動を変えることです。
1.最強の組織とは?
MBAの授業や書籍から導き出した、私が考える最強の組織とは以下の3つを満たしています。
変化
変化し続ける組織が一番強いですが、変化できる組織の特徴はこちらです。
- 時代の変化に敏感で、先手をとって動く
- フレキシブルに対応しながら実行していく
- 指示命令も大事だが、情報共有と個人のリーダーシップを重んじる
スピード
本書によると、各組織(部署やチーム)にはそれぞれ「体内時計」があります。これは「組織のスピード感」を表しています。
言い換えると、PDCAをいかに高速で回し続けられるかが、組織の強さを形作っていきます。変化の激しい現代は、スピード=力になりますね。
リーダーシップ
強い組織には、素晴らしいリーダーが必要です。いろいろなリーダー像がありますが、変化する時代にスピード感を持って対応するには、「自ら課題を設定して、チームを巻き込んでいける」リーダーが必要ですね。
2.組織デザインのためのロードマップ
組織をデザインし、人の行動を変えていくためのロードマップをみていきましょう。
外界との関係性が重要
本書によると、組織デザインの出発点は、外界との接点に対応できるように設定し、最後に内部を整えていくという順番が必要です。
- Customer(製品やサービスを使う人/会社)
- Client(お金を払う人/会社)
- Competitor(競合会社)
- Corporator(協力関係にある会社)
- Community(地域)
- Control(官による規制)
こうした外部の6要素とCompany(自社)の関係がうまくいくように組織をデザインしていく必要があります。
戦略との整合性
戦略の基本は、「強みに立脚する(=やらないことを決める)」ということですが、組織と戦略の整合性はとても重要です。
この際に、戦略→組織の一方通行ではなく、組織→戦略という方向での見直しもやっていきましょう。
マッキンゼーの7S
組織を7つの構成要素に分解し、分析評価をする枠組みです。優れた企業は、各要素がお互いを補完し、強め合いながら戦略の実行に向かっているとされます。
ソフトの4Sは、価値観が絡むため、強制的・短期間で変更することは難しいとされます。一方で、ハードの3Sは、意思やプランがあれば、変更することが可能です。
手をつけやすいという理由から、ハードを変えればよいと考えがちですが、ハードとソフトが融合し、整合していることが重要です。
3つのシステム
組織のシステムは、さらに3つに細分化できます。
①意思決定システム
これは、情報収集システムと会議システムから成り立ちます。
②業績モニター・評価システム
これは、管理会計システムと人事考課システムから成り立ちます。誰もが納得する評価をつけることは難しいので、「あなたのことをよく見て評価してます」ことが伝わるように評価・フィードバックすることがポイントです。
③人材育成・配置システム
これは、採用・退出システム、訓練システムから成り立ちます。日系企業は人材育成に力を入れているとアピールする割に、実際に費やすお金や時間が不十分なケースが多いので注意が必要です。
組織変革のロードマップとして、外部との関係性から出発し、戦略との整合性、マッキンゼーの7Sの枠組み、そして組織の3つのシステムを見ていきました。
3.組織変革の際の注意点
ここでは、組織変革の難しいポイントと、その対応策について見ていきましょう。
現状維持は最大の敵
どの組織でも、変化を拒絶し、変革に対抗するグループがいます。現状維持を求めるこうしたグループは、変革の最大の障害になり得ます。
問題意識を危機意識へ昇華させる
人は問題意識では動きません。誰もが思っているけどやらない、こんな状況に見覚えがありませんか。問題意識に加えて、誰がやるか、いつまでにやるかと決めることで、危機意識を持たせて、人の行動を変えましょう。
相反する場合はどちらかを選ぶ
組織変革は、相反するケースがほとんどです。例えば事業軸と機能軸、経営層のトップダウンか現場のボトムアップか、などです。2つを満たすことができない場合は、どちらかを選ぶことが必要です。コツは、しばらくすると逆を選ぶことです。片方を強くし、次はもう片方を強くしていく。こうすることで組織全体の実力が上がっていきます。
おわりに
今回の記事は、最強の組織を作る方法について解説しました。内容を要約すると、
- 最強の組織とは?(変化、スピード、リーダー)
- ロードマップ(外界/戦略との整合、マッキンゼーの7S、3つのシステム)
- 注意点(現状維持、問題→危機意識、相反する場合はどちらかを選ぶ)
今回参考にした本は、今回紹介した内容がわかりやすく書かれているので、一度読んでみてはいかがでしょうか。
次のトピックはテクノロジーです。ビックデータとAIについて理解を深めましょう。
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