MBAを検討されている方、特に欧州ビジネススクールを検討されている方、以下のような悩みをお持ちではないでしょうか?
- 欧州MBAのダイバーシティについて知りたい
- グループワークの課題や実体験を知りたい
- ダイバーシティなチームで自分がどう貢献できるか不安である
今回は、同じくIEに留学する日本人学生に協力してもらい、上記の悩みについてお答えする座談会を企画しました!
この記事を読めば、『欧州MBAダイバーシティ』、『MBAグループワークの実体験』、「グループワークでの貢献の仕方」について理解できます。
3人の現役MBA生が遭遇した、留学のリアルをみていきましょう。
絶対的な正解はなく、個人や状況によっても違うのが前提ですが、留学される方、グローバルな環境で仕事をされる方の参考になれば嬉しいです。
対談メンバー紹介
Sun:今日は、よろしくお願いします。まずは必修のグループワークについて教えてください。
*Aさん、Bさんのアイコンは実際の人物の年齢や性別とは全く関係ないので、ご承知おきください。
IEではPeriod1の3ヶ月、Period2の3ヶ月は、学校から指定されたグループでワークをしていきます。
特にPeriod2はコロナの影響でフルリモートかつ日本からの時差があり、大変でした。
IEの同級生にグループのメンバーを聞いてみました。私と同様、ダイバーシティな構成です。
— Sun@MBA留学中🇪🇸 (@spain_mba) September 20, 2020
Aさん:Period1(🇷🇺🇪🇸🇮🇳🇵🇷🇦🇷🇪🇨🇯🇵)/Period2(🇱🇧🇩🇪🇧🇷🇲🇽🇵🇷🇯🇵)
Bさん: Period1(🇱🇧🇲🇽🇪🇸🇦🇺🇸🇻🇳🇦🇯🇵)/Period2(🇳🇴🇺🇸🇮🇳🇲🇽🇪🇨🇯🇵)
地域の偏りがなく、同じ国籍の人が2人以上いないのが特徴ですね。#MBA #スペイン
衝撃エピソード
グループワークで衝撃のエピソードを教えてください。
Period1のグループで、タスクを各自に割り振るのですが、いつもやってこないメンバーが2人いました。普通ならやってこないと後ろめたさを感じると思うのですが、2人とも気にせずミーティングに参加して議論していました。彼らに対して、あるメンバーが叱責するのが毎回のことで、やってこなかったメンバーが感情的になって会議室を出ていくということがルーティーンでした。
Aさんはどうしていたのですか?
叱責するメンバー、出ていったメンバー、その他のメンバーと個別に話しながら、チームを前に進めるためにフォローしていました。
Period1のグループは当初はうまくいきませんでした。リーダーシップをとる学生がいたのですが、彼は議論を強引に持っていく傾向があり、他の意見を聞かずに突っ走るということが何回か続きました。あまり良いアウトプットが出せなかったというのもあり、彼以外のメンバーで、多様な意見を反映させるためにどういう風に伝えたら良いか話し合いました。
彼のモチベーションやプライドを傷つけないように、上手に伝える必要がありますね。どうしたんですか?
全員でフィードバックする会を持ちました。彼だけではなく、全メンバーがフィードバックをし合うようにしました。彼自身も反省していたのでうまく伝わり、その後はチームの絆が深まって、大きなトラブルは起きなくなりました。
先ほどの課題をやってこないメンバーの件ですが、揉めたとしてもその後はきちんと謝罪をし、オープンに反省します。こうした素直さは素敵だと思いました。
年齢は20代後半から30代後半までいるのですが、年齢が違ってもとてもフェアです。誰もがきちんと自己表現をするというのがスタンダードですね。
チームでの決断という意味ではどうでしたか?
全体でストーリーや大枠を決めた上で課題を分担していました。なのに話を無視したものが出てくるということがありました。これはとても困りますね。
チームで決めたことを変更するということに対して、文化や人によって反応が違います。決めたことはFixして進めていくか、Flexibleに変えていくかという、大きな違いがありますね。ここの認識の違いは、トラブルになりやすいです。
うまくいったこと
次は、グループワークでうまくいったことを教えてください!!
英語面でバリバリ議論で貢献することは、難しい面があります。一方で、動画編集、エクセルやパワポなどの実務は、スピードや見た目の綺麗さも含めて私が一番できたので、そこでまずは貢献することを心掛けていました。
これは日本人が貢献するパターンの一つですね。特に最初は、自分の強みで貢献し、グループの信頼を得るというのは必要ですよね。
当初は、意見を言うタイミングが難しかったです。メンバーからもっと意見を言えと言われましたね。途中からはガンガン割り込むようにした。
ある時、自分が得意な科目の課題があり、その時はガンガンリードしたら、メンバーから褒められ、そこで信用を得たと思います。
もう一つ心掛けていたのが、グループだけでなく1on1で話す。移動中やエレベーターなどで、あの時こう思ったなどをシェアするようにしていました。
スケジュール管理はどうですか?私は、英語の準備や自分の仕事量を考え、余裕を持てるように、Torelloというソフトを使ってチームのタイムマネジメントをしていました。
Period1&2ともに、エクセルでチーム課題を管理し、最終締切だけでなく、事前MTGの日程も全て決めていました。とてもスムーズにいきました。
Labでは、チームで課題を完全に分担しており、自分が担当しない課題についてはノータッチでした。効率的ではあるが、その課題は学びが少なかったです。
失敗したこと
うまくいかなかった経験はどうですか?
メンバーが、担当するプレゼンを完成させずに当日の発表を迎えました。たった2枚しかスライドがない上に、その担当者がWifiが不安定なカフェから授業に参加し、グダグダな発表でした。
同じく大変な目にあいました。プレゼンの担当者が授業の1時間前に、俺はVISAのアポがあるからできないと連絡がありました
アポはずっと前からわかっていますよね。
わかっています。スライドを見ると、グラフの軸の説明ない。当然スクリプトもない。さらに何が言いたいのかわからない。しょうがないので自分でストーリーを作って喋ったが、当然グダグダな発表になった。グラフの意味がわからないのでスルーしたら、教授が意味を聞いてくる(泣)。
実際に仕事をしていても起きそうな場面ですね。例えばチームリーダーになった時、メンバーが急遽できなくなったとしても、自分が対応できるように内容を事前すり合わせたりすることは必要ですね。
今後に活かしたいこと
グループワークで学んだことで、今後も活かせそうなことはありますか?
気遣いは間違いなく感謝されます。具体的には、MTGの後に個人的に話す、一緒にワークをする、愚痴を聞いて発散させる。こうした、聴くリーダーシップは活かしたいです。
先ほどの揉めたチームの話ですか?
そうです。年齢が一番若く、情熱的なメンバーがいました。突拍子もないことをたまに言うので、発言が流され、本人もふてくされるということがありました。あとで個人的に話を聞くと、発想自体はよく、伝え方がよくないことがわかりました。この時にその発想を褒めてあげ、一緒に伝え方を考えました。この出来事は、グループが解散した後に、モチベーションが上がったと本人から感謝の言葉をもらいました。
個人的には、リーダーの仕事で一番重要なのが、メンバーのモチベーションをあげることだと思っているので、参考になります。
日本にいる時のように、こう思っているだろうなと推測したり、何か思っていることを察してくれることはまずない。言葉に出さないと伝わらないですね。
日本のように態度や空気を読むと言うのはないので、伝えないと何も変わらないですよね。
逆に、雰囲気を察する、こうした敏感さが日本人にはありますよね。
こうした状況を読み取り、チームを前に進めることができれば、これは信頼を得るチャンスだと思います。
逆に、彼らは他人の目を気にしない自信があり、自己表現することのハードルは低いですよね。
そうですね。日本人は模範解答を求めがちですが、この点は気にしていない人も多いですね。
一方で、何か伝える時にも、理由の説明がセットで必要ですよね。じゃないと、誤解が生まれやすいですし、そもそも理解してもらえないことがあります。
ダイバーシティの授業で学んでいますが、第3のカルチャーを作ることが大事だと思いました(=チーム特有のルールを決めること)。こうした共通認識があるかないかで、トラブルを早めに止められますね。また、ダイバーシティとマイノリティの立場は違うと思いました。MBAでは全員違う国籍である程度みんな気を使うが、例えば私がある国に赴任して、マイノリティとしてチームをマネージするのは違うでしょうし。
いずれにせよ、まずは信頼を得るのが一番だと思います。
気遣い、意見を伝える、専門分野で貢献し、信頼を得ると言ったことでしょうか。
信頼を得る方法も、Relationsihp(人間関係)がメインなのか、Expertise(専門分野)メインなのかも文化によって違いますよね。
おわりに
今回は、IEの同級生2人に協力してもらい、ダイバーシティな環境で実際に起こったこと、うまくいったこと、失敗について、詳細に語ってもらいました。
絶対的な正解はなく、個人や状況によっても考え方が違うと言うのが前提ですが、留学される方、グローバルな環境で仕事をされる方の参考になれば嬉しいです。
この対談の元となっている、MBA全員必読というべき本がこちらですので、留学前に読んでみてはいかがでしょうか?(コミュニケーションの授業はこの本を使っていました)
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