はじめまして。まり🇬🇧です。
2020年に、サセックス大学の移民学の修士課程を修了し、今年からセカンドマスターとしてヨーク大学のMBAコースに進みます。
サセックス大学はイギリス南部のブライトン郊外でしたが(ロンドンから電車で1時間)、MBAはロンドンキャンパスで授業を受けます。
この連載では、MBAでの学びを中心に、社会学を学んだからこそ見える景色をお届けします。特に、イギリスの大学院留学、社会学、MBAについて興味がある方にオススメです。第一弾では、移民学を大学院の専攻にした理由とMBAに進みたいと思った理由についてお話します。
この記事を書いた人(まり🇬🇧大学院留学):イギリスの大学院で社会学(移民学)を修了し、セカンドマスターとしてMBAコースに在籍中。
なぜイギリスの大学院に留学しようと思ったのか
大学では、留学生たちが生活する国際寮で暮らし、いわゆるグローバルな環境に身を置いていました。
そこで、日本で働き、暮らすことを夢見て来日した留学生にもたくさん出会いました。でも、そんな彼らは差別などを経験し、日本を嫌いになって祖国に帰って行くんです。
「日本に来たことを後悔している。もうここで暮らしたくない。」
そんな声を何度も聞きました。きっと、みなさんも外国人差別のニュースを聞いたことがありますよね。
差別や偏見に対して憤ると同時に、何もできない自分が悔しく、もどかしくありました。
また、彼らをサポートしたいという想いがあっても、海外で暮らしたこともない私に一体何ができるのか、本当に必要なサポートはできないのではないか、そう思いました。
そんな葛藤を抱えながら大学生活を送り、気づけば大学3年生の秋。就活の時期ですが、悶々とした気持ちで毎日を過ごしていました。
自己分析をすすめるうちに、小学生の頃から夢見た「留学」を社会に出る前に実現させたいという想いが募り始めました。
交換留学への申請は間に合わない。語学留学やワーホリは、私の求めているものではない。焦る気持ちはあるけれど、何をしたらいいのかわからない。そんな時に、大学教授からイギリスの大学院への進学を勧められました。
「これだ、私が求めていたのは」。直感的にそう思いました。
留学したい。もっと学びたい。でも、日本の大学院には行きたくない。語学留学はしたくない。
そんな私のもやもやを解決してくれる選択肢が海外の大学院への進学だったのです。
移民学を選んだ理由
大学院に進学するとなると、専攻を決める必要があります。
私は前述の経験から、迷わず「移民学」を専攻に選びました。
日本は「移民学」が発達していないことも留学を後押ししました。イギリスに限らず、海外の大学院に進学すると、日本では発展途上の学問を学ぶことができるというメリットがあります。例えば、日本人に人気の「開発学」は日本ではまだまだ未発達ですが、私の通っていたサセックス大学では世界ランク1位の授業を受けることができます。
実は、専攻を直感的に選んでしまったので、これでいいのかと悩む時期がありました。日本の指導教官にその気持ちを伝えたところ、「どの社会学の分野も必ず世界の真理にたどり着く。無駄な学問などないのだよ。」という言葉をもらい、移民学を専攻する覚悟を決めました。
MBAに進みたいと思った理由
日本にいる外国人学生や外国人労働者たちが抱える問題を解決する手助けがしたい、という気持ちで留学を開始しましたが、リサーチがメインの授業であったため、物足りなさを感じていました。
大学院で博士課程に進学するか、できるのかどうかを見極めたいという気持ちもあったのですが、課題をこなすうちに私は研究者タイプではないということに気づきました。
研究者は、問題を実践で解決することよりも、理論を使って問題を証明することや新しい理論を見つけ出すことに重きがおかれます。
私は、博士課程には進学しないことを選びました。大学院で理論やその応用の仕方については学んだ。しかし、その問題をどう解決するかについては学んでいない。もっと実践的なことを学びたい。
ターム1が終わるころ、そんな思いを抱き始めました。
そんな時に、頭に浮かんだのがビジネス系のセカンドマスターへの進学です。
社会科学は世界に存在する問題を顕在化させることには適していますが、その解決方法までは教えてくれません。また、ダイナミックに社会問題にアプローチするには、ビジネス的な視点も必要です。
就職するか迷いましたが、イギリスの大学院は1年間で修了するため、進学したとしても合計年数は2年間で長すぎることはないと判断しました。
別の分野の修士号を既に取得しているクラスメイトが複数人いたことも、セカンドマスターへの進学を後押ししてくれました。
在学中にMBAに合格!
リサーチの結果、マネジメントコースとMBAにアプライしました。
テストは受けず、Personal Statement(願書とEssay)、推薦状2通のみを提出しました。
既にイギリスで高等教育を受けていた為、英語スコア(IELTSやTOEFLの)の提示は免除されました。また、イギリスのMBAはオックスブリッジなどのトップ大学を除いて、GMATが必要されない学校が数多くあります(今後、GMATが導入されるという噂もあります)。
MBAでは、3年以上の職務経験が求められましたが、大学時代のアルバイトや課外活動が職務経験として認められました。基準を満たしていないように思えても、だめもとでアプライしてみるに越したことはありません。
結果的に、両方のコースから合格を頂きました。
マネジメントコースは主に職務経験のない学生を対象としており、MBAとは大きな差はありませんが、より実学的な学びが期待できるMBAへの進学を決めました。特に、私の進学するヨーク大学のMBAコースでは、実際に企業のプロジェクトに参加できること、実務経験が積めることも大きな決め手となりました。
おわりに
MBAで具体的に何が学べるのか、社会学とどのような繋がりがあるのか、などについては授業が始まってからお伝えできればと思います。
次回は、サセックス大学で受けた移民学の授業についてお話します。